アシナシイモリは幼生の間はエラ呼吸、成体は肺呼吸をする、列記とした両生類の仲間です。
その中でも無足類という聞き覚えのないカテゴリーに入ります。
ちなみにイモリの仲間が有尾類、カエルの仲間が無尾類です。両生類はこの3つの分類から成り立ちます。
そんなアシナシイモリですが最近はペットショップでも見かけるようになりました。
今回は、その隠れた魅力を持つ生物で、且つ一部の界隈で絶大な人気を誇っているアシナシイモリについてご紹介します。
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目次
<目次>
アシナシイモリの特徴・最大体長・最大種は!? |
アシナシイモリの種類 |
アシナシイモリの飼育方法 |
アシナシイモリの繁殖事情 |
まとめ |
アシナシイモリの特徴・最大体長・最大種は!?
アシナシイモリは大きく分けて2種類います。
水中生活を送るものと陸生生活を送るものです。
分布域は東南アジア・インド・中南米・マダガスカルの熱帯地方です。
多くの種が防衛のため体表から粘液を出します。
どちらも夜行性が多く、昼間は水生種は流木や岩の物陰、陸生種は朽木の中や土壌に潜っており、日が落ちると甲殻類や昆虫を食べるために姿を見せます。
もう一つこの種にしかない特徴に「ヤコブソン器官」が挙げられます。
これは一対のごく小さな突起状のもので、口吻、首の下辺りに備わっています。
体内に出し入れ可能で触覚を補います。また捕食する餌等を探索するのに用いるとも言われています。
幼生は以下の写真の様に極めて特異な特徴を持ちます。
上写真)陸生種の孵化寸前の卵。頭部の真後ろに外鰓らしきものが認められる。
アメリカ、テネシー水族館で産まれた水生種の幼生
歯も数本生えており餌を逃がしません。繁殖期にはメスを補定する役割をします。
気になる体長はまちまちで30㎝~50㎝ほど、稀に70㎝近くになる大型種が現地で発見されるそうです。
そしてその生態と僻地に住むことから、未だに未発見の種が多く存在すると考えられており、主としての系統が未だ不安定な一属です。そのため現時点で最大種がこれだ!という断定はほぼできません。
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アシナシイモリの種類
国内で流通している4種類をピックアップしてみました。
コアなショップや専門店ならこれら4種の他に、聞いたことのないような種の入荷があるかもしれません。
ヒラオミズアシナシイモリ
エイリアンの様な奇妙な外見をしています。写真は呼吸のために水面に鼻先を出している様子です。
オスの尾部にある総排泄孔の周辺が吸盤状になるのが最大の特徴です。
その吸盤は繁殖期にメスを保持するのに用います。
コータオヌメアシナシイモリ
現時点で国内で最も目にするアシナシイモリです。黒色の身体に黄色のラインをまとい、海外では非常に人気があります。
完全に陸生のアシナシイモリです。
常に土に潜り、夜間に地表を這い回り、餌となる昆虫類を捕食します。
両生類には珍しく人馴れすることが多く、メンテナンスの際に手に絡み付いて来たり、地表をトントン叩くとひょこり顔を出したりします。
カウプカワアシナシイモリ
ブラジル川水系に生息する南米産の完全水生種です。
聞いたところ頑丈な種類の様で、水生両生類につきものの皮膚疾患もこの種は出にくいそうです。
ミズアシナシイモリ
「ラバーイール」の名で熱帯魚店に入荷されたのが主です。この仲間で最も飼い易いですが、皮膚から粘液を出すので同種以外との混泳はお勧めしません。
一昔前は熱帯魚店で複数匹が売られていました。最近は残念ながら目にする機会が減っています。
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アシナシイモリの飼育方法
飼育方法は少しコツがいる程度です。流通されている4種は両生類の飼育経験者なら容易でしょう。
熱帯種なので水生種には熱帯魚用のヒーター、陸生種には各メーカーのプレート―ヒータを用います。
どちらも一番良いのはエアコンです。
ケージはどの種も最低60㎝水槽です。この大きさで長期飼育は可能です。
もちろん大きいに越したことはありません。
ケージは「土を飼っている」と揶揄されるほど陸生種は潜りっぱなしです。陸生種はケージの2/3以上の深さに土を敷き詰めます。逆に水生種は熱帯魚を飼う方法と全く同じです。
餌は甲殻類(カニ・ザリガニ・エビ)・昆虫を与えます。
冷凍餌がピッタリです。水生種なら冷凍赤虫などを陸生種なら冷凍昆虫(コオロギ)などをあげましょう。
人工飼料は餌付く種類・個体と様々ですので、最初はあてにしない方が良いでしょう。
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アシナシイモリの繁殖事情
輸入の際の持ち腹で出産・産卵した事例がありますが、飼育下での繁殖は聞いたことがありません。
そしてかなり原始的な生き物なので染色体の大きさなどがまちまちであり、完全な種の判別をしなければ確実に殖やせません。
また産卵時のみ上陸しとぐろを巻いて卵を守る種類もいます。その場合気に入った場所でしか産卵しないので、飼育環境的に厳しいと思います。
水族館での繁殖例もたった数例です。個人ではかなり難しいでしょう。
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まとめ
いかがでしたか?
両生類らしからぬ両生類アシナシイモリ。
飼育下で飽きさせてくれない生き物です。
ぜひ飼育してみてはどうでしょう?