タイコウチといえば幼い頃時分よく捕まえたものです。
ですが時を経るにつれその姿を見かけなくなりました。
それは何故か?そして身近なタイコウチはどんな種類がいて、どんな生態をしているのか?
以下に詳しくお話しします。
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目次
<目次>
タイコウチって絶滅危惧種なの!? |
タイコウチの種類 |
タイコウチの飼育方法 |
繁殖から幼虫の育て方まで |
まとめ |
タイコウチって絶滅危惧種なの!?
タイコウチそのものは絶滅危惧種ではありません。
ただ用水路のコンクリ化に伴い生息・繁殖地を失い、その数を急速に減らしています。
他にも国内には3種類のタイコウチが生息しています。
残りの2種の内、環境省レッドリストで「エクサタイコウチ」が準絶滅危惧「タイワンタイコウチ」が絶滅危惧、そしてヒメタイコウチ属の「ヒメタイコウチ」が絶滅危惧に定められています。
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タイコウチの種類
分類学的にはミズカマキリもタイコウチの仲間ですが、ここでは便宜上分けて紹介します。
タイコウチ
最もスタンダードなタイコウチです。体長3〜3.5cmほど(呼吸菅除く)で待ち伏せ型の捕食者です。
各脚をピンと伸ばし微動だにしない擬死を行います。
タイワンタイコウチ
国内では八重山列島・西表島・石垣島・与那国島に生息します。
タイコウチより一回り大きく実質国内最大種です。
エサキタイコウチ
国内では与那国島にのみ生息。暗部を好み浅い湿地帯に生息します。約2cm足らずの日本最小種です。
ヒメタイコウチ
厳密にはタイコウチ科ヒメタイコウチ属で、分類上は上記の3種とやや異なります。
生態と分布域が未だ不確かです。本州・四国に限定的に生息すると言われます。
体が浸かる様な湿地帯や陸地を行き来しますが、完全な陸生種で水中生活は不可能です。羽は退化し飛翔することができません。
体長は約2cm。水生生物は食べず陸生昆虫類を捕食します。
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タイコウチの飼育方法
容易に飼えます。ただし数の入れ過ぎは共食いに繋がります。
水槽は個体数に依存します。単独飼育なら30cm水槽で申し分なく、60cm水槽なら7〜10匹は飼えるでしょう。
水質安定の為底砂を敷き、時折陸上にも上がるので水位は半分くらいにします。さほど水深の深さを必要としません。
流木、水草、など足掛かりになるものは必ず入れましょう。
メダカやコオロギ等の生き餌メインですが、冷凍魚類や冷凍コオロギでも慣らせば代用は効きます。
フィルターは入れても入れなくても良いでしょう。水質維持は換水を主としましょう。
水温は無加温で室温任せで構いません。11月頃に水中・陸上と自ら環境を選び冬眠をします。2〜3月頃に冬眠から目覚めます。
滅多に脱走はしませんが、そこはやはり昆虫。飛翔するので蓋は忘れずに。
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繁殖から幼虫の育て方まで
繁殖期は5〜8月と幅広くかなりイレギュラーです。
繁殖のきっかけづくりは冬眠とも言われます。氷点下を下回らなければ屋外冬眠がベストでしょう。
室内でも冬眠しますが何かが足りないのか?繁殖のスイッチが入りづらい傾向にあります。
産卵は陸地で行います。レンガの上に湿った水苔を置いたり、浮遊性の水草を用意します。
園芸用のオアシスが加工しやすく水分も吸うのでかなりお勧めです。
産卵数は少なく10個ほどです。卵は呼吸菅を持つ変わった形態です。
乾燥は大敵なので適度に霧吹きをしますが、水滴が呼吸菅につかない様注意します。
上手く行けば最初は白色だった卵に徐々に赤みがかり、幼虫が孵化します。
孵化した幼虫は2カ月ほどで成虫になります。
幼虫の餌としては活赤虫や初令コオロギ・レッドローチなどを与えます。冷凍赤虫なども良いでしょう。
ピンセットでつまみ眼前で震わすと意外なものに食いつきますので、色々と試してみてください。
タガメに比べ丈夫なので、バッタなどのグラスプランクトンや小型昆虫を自己採取する手段もあります
この場合、少し可哀想ですが一度に全個体に与えず、1匹に与え餌が安全かどうか確かめて下さい。
全滅するのが1番堪えますから…
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まとめ
以上がざっくりとしたタイコウチの概要まとめです。
諸手を上げて「自家採取の餌」をお勧めしたいのですが、最近は与えたらイチコロ…と言うケースがあります。
ですので積極的に勧められません。
その様な理由もあり、野外からはいつの間にか居なくなりつつあります。
手に入れたら大事に飼ってあげて下さいね。