ホンソメワケベラという海水魚はかなり周知されていますよね?ウツボやハタなどの口に入り、寄生虫を食べる姿は有名です。
今にも食べられそうなその姿はヒヤヒヤものです。
そんなホンソメワケベラの飼育方法を通して、数々の疑問点を解説して行こうと思います。
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目次
《目次》
ホンソメワケベラとは |
ホンソメワケベラの飼育 |
ホンソメワケベラの混泳と共生相手のウツボに食べられる可能性は? |
ホンソメワケベラの繁殖 |
まとめ |
ホンソメワケベラの飼育とウツボ等と混泳して食べられないのかや繁殖はできる?とは
元々の名前はホ「ソ」ソメワケベラでした。読み間違えでホン「ソ」メワケベラになり、それが公式名になったエピソードがあります。
国内でも房総半島以南に生息します。代表的なお掃除屋さん、つまり「クリーニング魚」です。
その食性は共生相手の体表やエラに着く寄生虫や微生物を主食としています。もちろん単体でも動物性プランクトンなどを食べていますよ。
一見地味に見えますが、側線に沿った黒い一本線に加え、ぼんやりと頭部付近は黄色み、腹部付近は青みがかかります。
よく見ると結構鑑賞映えする魚なんですね。
全長は約12〜15cm程です。夏季には暖流に乗り北上します。しかし冬季には寒さで死んでしまう「死滅回遊魚」でもあります。
共生と並び特徴的なのは、睡眠時に自らの粘膜で体を覆うことです。
まるで繭の様なゼラチン質の中で睡眠につく、変わった形態を取ります。
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ホンソメワケベラの飼育
ショップでは事故に備えて、念のためでしょうか?共生はほぼさせていません。
その為餌は別に用意する必要があります。
本種はなかなか人工餌に餌付きにくく、ショップでは冷凍餌がメインです。
持ち帰ったらまずはショップで与えていた餌を主体に与えます。そこから徐々に人工餌に慣らして行きましょう。
適正水温は22〜28℃です。水槽は原則60cm以上が望ましいです。かなり遊泳する魚ですので、相応のスペースが必要となります。
共生を目指すのであれば、共生魚を主体にそのサイズを選んで下さい。
やや水質に敏感な面がある様です。上部式フィルターを用い、1週間に1/3程度の換水は怠らない様にしましょう。
意外にも飛び出し事故が多い魚です。また海水魚飼育は水分の蒸発が原因で比重が偏る事があります。フタは必ずして下さい。
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ホンソメワケベラの混泳と共生相手のウツボに食べられる可能性は?
ホンソメワケベラはその習性もあり、他魚との相性は非常に良好です。
極端にキツい性格でなければ、様々な魚と混泳できるでしょう。
それに反して、ホンソメワケベラ同士の相性は良くありません。自然界ではオス一匹に複数のメスのハーレムを形成します。ただ水槽内ですと仕切りに追いかけ回したり、クルクルと泳ぐ本種の特徴的な泳ぎ方で、激しくケンカをしてしまいます。
(※ちなみにこの独特の泳ぎ方は「クリーニングをしますよ」と言う意味も兼ね備えており、何故か?ほとんどの魚がそれを理解しています)
サイズ差のある若魚も率先して追いかけ回すので、基本は一つの水槽に入れられるホンソメワケベラは一匹のみとなります。
よくウツボなどの共生相手に食べられるんじゃないか?と聞かれます。
共生関係が成り立っていればその心配はあり得ません。寧ろクリーニングされている間、ウツボはホンソメワケベラを驚かせないよう極力動きません。その口も開けっ放しで微動だにさせません。
非常に長い生物同士の歴史を積み重ね、互いに安全安心を心掛けている様です。
ただホンソメワケベラの生息地以外の巨大魚との混泳は避けた方が無難です。他の地域にも同様のクリーニング行為をするエビ類などは多数いますが、万が一の事があり得ます。餌とみなされてしまう可能性もあるので避けましょう。
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ホンソメワケベラの繁殖
ホンソメワケベラは産まれた個体が全てメスである雌性成熟魚です。カクレクマノミの雄性成熟とは真逆ですね。
群れの中の一匹がオスに性転換しハーレムを作ります。またごく稀に性転換したオスが再度メスに性転換します。これは“双方向性転換”と呼ばれます。
水槽内繁殖は相性の悪さやその遊泳性を考えると、深さがある巨大水槽が必要です。密な飼育ですとどうしても群れを作りません。
他魚を混泳させ仲間意識を活性化させ、群れを作らせてもいいでしょう。
上手くいけばオスメス互いに踊る様に絡み合い、放卵・放精します。受精卵はバラ撒かれるので、その収集は困難です。卵より親魚を別水槽に移した方が効率がいいかも知れません。
どうしても卵を隔離したければ、大きめのスポイトで丁寧に集めてあげましょう。
稚魚はコペポーダ・ワムシなどを初期飼料として与えて下さい。
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まとめ
この様に水槽内でも、その特異な共生関係が観察できる興味深い魚です。
他魚の健康のためにも、一匹水槽に導入してみては如何ですか?