ヤエヤマギンポという魚をご存知ですか?カエルウオの仲間で、琉球諸島など国内にも生息しています。
一見地味な魚ですが飼育し始めると興味が尽きない魚です。
今回はそのヤエヤマギンポを紹介させて頂きます。
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目次
〈目次〉
ヤエヤマギンポの死因 |
ヤエヤマギンポの飼育方法 |
ヤエヤマギンポのミズタマハゼや他魚との混泳事情 |
ヤエヤマギンポの繁殖方法 |
まとめ |
ヤエヤマギンポの死因
ヤエヤマギンポは非常に丈夫な魚です。滅多な事では体調を崩しません。そんな魚をもし死なせてしまったら…
そういった事がない様に代表的な死因をまとめてみました。
①飛び出し死
カエルウオの仲間はジャンプ力が強く、ヤエヤマギンポも例外ではありません。とにかく蓋をするのは飼育の基本です。
②偏食
とにかく何でも食べる魚です。もし同居魚が死亡し撤去が遅れると、その死骸まで食べてしまいます。
稀にですが他魚の味を覚えると、他の餌を一切受け付けなくなり餓死してしまう事があります。
③同種を含む底生魚との争い
ヤエヤマギンポの縄張りは水中…ではなく砂上などの平面です。テリトリー意識が高いので激しく喧嘩し、死に至る事があります。
…と特別な死因を探す方が難しい魚です。上記の3点に気をつければ、メンテナンスは他魚より容易ですよ。
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ヤエヤマギンポの飼育方法
前述の通り飼育はかなり容易で、入門魚としてよくお勧めされます。ショップでは3〜5cmの幼魚が売られてますが、最終的には10cm程になります。
このため飼育水槽はかなり小型でも構いません。飼育者のライフサイクルにも合わせられます。
ただ同種同士の混泳はNGです。同種間のみかなりの凶暴性を持ち、どちらかが死に至るほどの大喧嘩をします。そのため単独飼育が基本となります。
適正水温は20〜30℃と幅広く、海水魚飼育につきものの水槽用クーラーも本種には必要ないでしょう。物陰に水槽を置いたり、冷却ファンで事足ります。
餌の面も心配ありません。かなり草食性が強い雑食性であり、そのコケ処理能力は熱帯海水魚の中でもトップクラスです。
また他魚の食べ残しも積極的に食べるので、特に餌を意識しなくても構わない程です。
もし心配なら草食海水魚専用の飼料を与えます。あくまで植物性が強い雑食性なので、他の餌も積極的に食べてくれますよ。
サンゴ水槽のコミュニティタンクでは、サンゴにとって大敵であるコケを食べてくれるので、かなり重宝されます。
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ヤエヤマギンポのミズタマハゼや他魚との混泳事情
基本的に遊泳魚には全く無関心な上、スズメダイなどにも攻撃されにくい特徴があります。
ただ同じ底生魚は別です。他のギンポ類・ハゼの仲間・カエルウオなどとの相性は最悪です。
ライブロックやサンゴの上、底砂が彼らの生活圏です。生活圏が被る魚にはかなりの攻撃性を持つんです。これらの魚との混泳はNGです。
ヤエヤマギンポは他の底生魚とは同居させない方が無難です。
カニやヤドカリなどの甲殻類、ウミウシなどの軟体動物には何故か攻撃性を持ちません。
混泳はこれらの生物か、テリトリー・生活圏が重複しない魚に留めて下さい。
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ヤエヤマギンポの繁殖方法
一般的にオスの方がメスより大きくなります。
寿命は野生界で2年ほど、飼育下で数年です。性成熟の目安にして下さい。
ギンポの仲間はオスが岩礁やライブロックの隙間に巣を作り、そこにメスが集まる形態の「訪問型一夫多妻」の繁殖方法です。
広大な海に生息する海水魚の繁殖はハードルが高く、ヤエヤマギンポも例外ではありません。
基本的に単独飼育なので、繁殖を狙う場合は小型の水槽を複数用意するか、セパレーターで幾重にも仕切られた専用の水槽を用います。
個別に飼育しオスが10cm程になったら、ライブロック等を複雑に組み合わせた繁殖用水槽に入海しましょう。
十分性成熟したオスは砂を掘ったり、好みの隙間を見つけ産卵床である巣を作ります。
ここに複数匹メスを投入します。メスの性成熟が見られず争う様でしたら元の水槽に戻して下さい。これを繰り返しメスが抱卵していれば、オスの巣に入り壁面に粘着卵を産みつけます。
後は孵化するまでオスに面倒を見てもらいましょう。
十分照明を当てライブロックが複数入っていれば、その時点で多くの微生物が発生しているはずです。稚魚の初期餌にこれらはもってこいです。
もし心配ならコペポーダやワムシ・ブラインシュリンプをあげて下さい。稚魚時代の餌がその後の健康や成育の大きなファクターになります。
1〜2cm程になったら、稚魚用の人工飼料を与えてみましょう。ブリード個体ならもしかしたら?人工飼料を食べてくれるかもしれません。
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まとめ
ヤエヤマギンポは国内でも琉球諸島で見かける人気種です。
水槽作りのためのパイロットフィッシュとして使われがちな本種ですが、それは飼育が容易と同義なんです。
小型水槽でも飼える本種。テレワークのお供に卓上に置いてもいいかもしれませんね。