フクロモモンガという名前を聞くと、多くの人は「あの空を飛ぶ動物なのかな?」と連想する事でしょう。
ただ、このフクロモモンガ…実は日本に生息するモモンガの仲間ではありません。
カンガルーの様に育児嚢と呼ばれる袋の中で子育てを行う、有袋類の動物なんです。
以前にも増して、その人気が高まりつつあるエキゾチックアニマルこと『フクロモモンガ』。
その生態や飼育方法について詳しくご説明したいと思います。
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〈目次〉
フクロモモンガの特徴や生態について |
フクロモモンガの飼育方法 |
フクロモモンガの飼育費用・価格ってどのくらい? |
フクロモモンガ飼育の注意点とは? |
まとめ |
目次
フクロモモンガの特徴や生態について
モモンガ類は前脚と後脚の間に薄い皮膜を持ち、それをパラシュートの様に使い、木々の間を滑空する小型哺乳類です。
日本国内にはニホンモモンガ・エゾモモンガが生息しますが、実はフクロモモンガはこれらのモモンガ類とは全くの別種となります。
リス科に属するモモンガとは違い、フクロモモンガはフクロモモンガ科に属する“有袋類”です。
「モモンガ」の名前を持ちますが、本来のモモンガとの共通項は「同じ哺乳類」「滑空をする」という2点だけです。
フクロモモンガの野生種は、インドネシア・オーストラリア・パプアニューギニアなどの熱帯地方に分布しています。
数頭からなる群れを構成し、大木が生い茂る森林地帯が彼らの主生息域です。
木のうろなどを巣穴とし、昼間は休息を取り、夜間に活動的になる夜行性の性質を持ちます。
食性は雑食性であり、夜になると樹液や花粉・果実、昆虫などの小型動物を積極的に捕食します。
オス個体は群れの縄張りを守るため、唾液や臭腺でマーキングを行います。
この臭腺のため、匂いがきつい動物と紹介されますが、実際はそこまで強烈に匂うことはありません。
四肢の爪が非常に鋭く、人の皮膚を傷つけるため、飼育の際のデメリットとして挙げられる事があります。
知能は非常に賢く、普段世話をする飼い主を見分ける事もできます。
ただ個体差が大きく、一匹ごとの差が顕著なので過度な期待を寄せないほうがいいでしょう。
懐く・懐かないも個体ごとに差があります。ただ根気良く付き合えば、大抵ベタ慣れになります。
最初は驚くほど威嚇されますが、コツコツと信頼関係を結んでいきましょう。
慣れた個体はカーテンの間を滑空したり、服の袖や襟元に潜り込んだりと、愛嬌のあるパートナーになります。
寿命も10〜15年と長寿であり、末長く付き合っていける動物です。
以下の記事でフクロモモンガの生態や、名前の由来と特徴などについてまとめられています。
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フクロモモンガの飼育方法
フクロモモンガを飼う際に、最も頭を悩ませるのがケージの選択です。
立体行動をするので鳥類の様な縦長のケージで飼育しますが、よく見かける『金網状のケージ』にするか『アクリル性のケージ』にするかの2択となります。
金網ケージは通気性が良く、夏場なども必要以上に温度が上がりにくいと言うメリットがあります。
その一方、冬場の保温性に乏しく寒い時期はエアコンを必ず使用する羽目になります。
アクリルケージのメリットとして、金網ケージとは真逆で保温性に優れています。
ただし密閉性が高過ぎるため、夏場のエアコンは必須となるでしょう。
また値段も20,000円超の高額となります。
どちらも一長一短で甲乙付け難いのですが、一般的には『アクリルケース』が最も好まれ、使用されています。
その理由はフクロモモンガがトイレを覚えることができない、この一点に尽きます。
同じエキゾチックアニマルのデグーにも言えますが体の構造上、気付いたら排泄するという習性を持ちます。
金網ケージの場合、壁面にぶら下がった状態でも排泄を行ない、ケージ周りや室内に排泄物が飛び散ってしまいます。
そのため糞尿を遮断し、日常の世話も楽なアクリルケージが好まれると言う訳です。
次に必要となるのは、気温に関わる飼育用品です。
フクロモモンガの適正温度は22〜28℃となり、この温度を維持し続けなければなりません。
そのため夏場のエアコンは必須です。
冬場もエアコンをかけ続けるのがベストですが、電気代が気になる方は『小動物用ヒーター』を使うといいでしょう。
この際は必ずサーモスタットを使い、暖め過ぎを防ぐ様にして下さい。
暖気は下から上に流れるので、ヒーターはケージ下部に設置し、サーモスタットは可能な限りヒーターから離れた場所に設置します。
目視でも判断できる様、温度計もサーモスタットと同箇所に設置します。
最も重要になるのが『フクロモモンガ用ポーチ』と足場になる『ステップ』です。
フクロモモンガは自然界では被捕食者の立場であり、全身が入る隠れ家なしではストレスが溜まる一方です。
また、ポーチはフクロモモンガを手乗りにする際の必須品となります。
ほとんどのフクロモモンガは臭いや、オヤツなどのコミュニケーションで徐々に人馴れする生き物です。
ポーチは飼い主の首から下げる事ができ、行動を共にし臭いを覚えたり、オヤツを与える事で慣れさせていくものです。
ベビーでも激しい威嚇をするフクロモモンガ
ですが、そんな暮らしを1年ほど続けると、驚くほどベタ慣れしてくれます。
ただポーチ内でも構わず排泄をするので、2〜3個ほどローテーションし、使用する様にしましょう。
『ステップ』は言い換えれば、自然下での休息地と同じ役割を持ちます。
最低2つ用意し、それぞれに“給水ボトル”・“餌入れ”を設置しましょう。
あらかじめ木製のステップが付属品としてケージについてきますが、木製ステップは尿を吸収し悪臭を放つので、プラスチック製や金属製のものが適しています。
100円ショプでよく見かける、網状の引っ掛け棚を加工すると、コストが抑えられますよ。
餌入れや給水ボトルは特に拘る必要はありません。
フクロモモンガが一日に必要とする餌の量は、その体重の10〜20%とされています。
スケールで個体の体重を測り、日が沈み始めるタイミングで、給餌してあげましょう。
食べ残しは酸化・腐敗しやすいので、一日ごとに廃棄します。
水分も同様です。
餌はフクロモモンガ必須の栄養素を全て含む、ペレット状の専用フードを与えましょう。
本来はこれ一つで問題なく飼育できますが、慣らす際のオヤツとして『昆虫用ゼリー』や『トウモロコシスティック』『ドライフルーツ』等を適度に手渡しで与えます。
ペットメーカー各社がかなり力を入れているので、ご自身のフクロモモンガの嗜好に沿うオヤツを探してみて下さい。
性格や知能同様、個体ごとの好みも偏りがあるので、お気に入りを与えると懐くまでの時間もかかりません。
懐かせる際に気をつける事は、排泄と鋭い爪です。
自然界では長距離滑空の着地や、硬い木々が豊富で、自然とその爪は摩耗するのですが、飼育下ではそうはいきません。
人間用の爪切りは目測を誤りやすいので、必ず猫用・ウサギ用などの爪切りバサミで爪切りをしてください。
爪の根本には血管が通っているので、深爪は厳禁です。
爪の先っぽを少し切る程度にして下さい。
放し飼いは部屋んぽ(部屋+散歩の略)を毎日30分ほど行い、ストレス軽減や運動不足解消に努めます。
ただ、その際は排泄がネックとなるので、拭く物や消毒液は常に傍に置いておきましょう。
かなり駆け足でフクロモモンガの飼育方法をご説明しましたが、一度慣れると飼い主に全幅の信頼を預ける生き物です。
デメリットを上回るほど、飼育に適したペットなので、ぜひその飼育にチャレンジしてみて下さい。
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フクロモモンガの飼育費用・価格ってどのくらい?
大きく分けて初期投資の費用が高額になり、ランニングコストはさほどかかりません。
言い換えれば、飼育導入時にそれなりの費用がかかると言う事です。
フクロモモンガの生態は幼いほど高く、成獣になるにつれ、値段は落ちていきます。
扱う店舗によりけりですが、生態価格は1万円台半ばから2万円程度と見繕って下さい。
飼育用品は初期投資が小動物としては高くなり、アクルリケージを基調とすれば、約3万円ほどです。
金網ケージで飼育する際は、その値段が1/2ほどなので、約2万円になります。
餌やオヤツなど、継続して必要なものは、一月2,000円を目安にして下さい
冬場・夏場の冷房・暖房の電気代もかかりますが、それほど跳ね上がる事は稀で、大抵は一ヶ月2,000〜3,000円に留まります。
これらを全て足すと、初期費用は2万円から3万円ほど、一ヶ月の継続費用は2,000円から5000円となります。
以下の記事でフクロモモンガの飼育に必要となる用具について、選び方からオススメなどについてまとめております。
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フクロモモンガ飼育の注意点とは?
特に音に敏感な方に顕著なのですが、元々夜行性の動物であり、昼間は半覚醒状態です。
夜中になると活発に活動し、結構なボリュームの活動音・鳴き声を発します。
こればかりはフクロモモンガ本来の性質なので、躾でどうにかなるものではありません。
動画サイトなどを参考にし、自分の生活スタイルに合うかどうか?しっかりと見極めて下さい。
放し飼いの際の“脱走”や“踏みつけ事故”・“コード類”にも気を配りましょう。
動きが敏捷なフクロモモンガは、ちょっとした隙間から屋外に脱走したり、僅かなスペースに潜り込む事があります。
飼い主にまとわりつくため、予期せず踏みつけてしまい、骨折等につながる事故も起こり得ます。
コード類などを齧ると、最悪感電死の恐れがあるので、かなり危険です。
これらは全て飼い主が気を配っていれば、確実に避けられる事故です。
1匹でのびのび遊ばせたい…そんな方は小物類・各種コード等を徹底的に隠してしまいましょう。
ですが、部屋んぽの際は一番事故が起こりやすくなります。
最善方法は飼い主が決して、フクロモモンガから目を離さない事です。
この様にフクロモモンガの飼育に於いて、注意する点はかなり少数です。
どちらも飼い主次第の注意点なので、安易な飼育はせず、事前の下調べ・情報収集をしっかりと行う事が最も大切となります。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
慣れない内は激しい威嚇声もあげる、フクロモモンガですが、知能の高さはエキゾチックアニマルの中でも随一で、大切に飼えば飼うほど、信頼を飼い主に返してくれます。
飼育下寿命も10〜15年と言われており、非常に長い間付き合えるパートナーに最適ですよ。