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ディスカス飼育の難易度は?60㎝水槽飼育のph・餌・混泳について解説します

『熱帯魚の王様』と呼ばれているディスカス。エンゼルフィッシュなどと同じシクリッドに属する熱帯魚で、古くからマニア・初心者・中級者の憧れの的である魚です。

原種ヘッケルディスカスから始まり、赤みの強い個体・ブルー色の個体・モザイク状に模様が入る個体など、その長い歴史の中で様々な品種が作出されてきました。

昭和~平成初期はかなり高価な熱帯魚でしたが、最近は子育てから離れた幼魚などが比較的安価で販売されるようになり、飼育マニュアルも一般的に浸透した事で「最難関」と言われた飼育についても「難関~普通」程度には下がっています。

本記事ではそんなディスカス飼育のポイントについて述べて行きたいと思います。

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目次


ディスカスとは?その飼育難易度や特徴・代表的な品種について


ディスカスの原種は南アメリカ大陸のアマゾン川原産の淡水魚です。正確にはシクリッド科シムフィソドン属に分類される魚であり、一昔前には飼育度が最高難易度と言われていました。

ただ現在は飼育技術や飼育のノウハウ・飼育用品の充実により、そこまで難易度が高い魚種ではなくなっています。普通に飼育する分にはかなり頑健な魚ですが、繫殖などを狙うとなると難易度はグッと上がります。

ディスカスの原種に近い種として『ヘッケルディスカス』が存在します。ディスカスを始めとする南アメリカ大陸原産種・アマゾン川水系に生息する魚たちは基本的に【ブラックウォーター】に住んでいます。

このブラックウォーターはアマゾン水系の原生林が枯れ落ち、それらの枝葉が紅茶やコーヒーの様にろ過され、様々な栄養素などが抽出された茶褐色の水となります。

園芸用のピートモスなどを想像すると分かりやすいのですが、これらの抽出物は弱酸性の軟水に傾きます。


ディスカス飼育にも弱酸性・軟水よりの水質を保つようにして下さい。

またその体型から分かるように“円盤状”の特徴のある体型をしているので、なるべく体表を舐めるタイプのプレコとは同居させない方がいいでしょう。

「セルフィンプレコ」などは同居させてほぼ問題ないのですが「ロイヤルプレコ」など若干縄張り意識が強く、削る力が強いプレコは避けた方が無難です。

またエンゼルフィッシュほどではありませんが、線状のヒラヒラとした胸ビレを持つので、そういったものを突っつく様な性質のあるコイ科の熱帯魚「スマトラ」は避けて下さい。

ディスカス自身も気が荒い面があるので、縄張り等でよく小競り合いを起こします。そのため弱い個体を隔離できるようなセパレーターや別水槽を用意していた方が無難でしょう。

ディスカスの代表的な品種は以下の通りです。


均一の体色に縦に一本線模様が入るやや地味なディスカスです。黄色っぽい体色やえんじ色の体色がほとんどです。

飼育難易度はディスカスの中でもかなり上位であり、水質維持やphなどに非常に気を使います。


● レッドロイヤルブルーディスカス

幼魚の頃は地味ですが、飼い込むにつれ発色が良くなる“ブルー系”のディスカスです。

近年は500円玉大の幼魚が2000円ほどで販売されており、値段的にも入手しやすいディスカスとなります。


● ブルーダイヤモンドディスカス

正真正銘、全身が青一色になるブルー系統のディスカスです。

その赤い目以外はヒレの細部・末端まで青みが入り、成長するにつれ光沢が増すディスカスとなります。

 

● サンメラーディスカス

こちらは全身真っ赤な系統のレッド系統のディスカスです。

ディスカスと言えばブルー系統を主に連想されると思いますが、長い年月の間“赤色系等”のディスカスも多数作出されています。

 

● ピジョンブラッドディスカス

『ピジョンブラッド』直訳すると『鳩の血』と言えます。

イエロー系統の代表品種であり、その薄い体色に赤いラインが入る様から「ピジョンブラッドディスカス」と鳩の血管を模した名前が付けられたようです。


● スノーホワイトディスカス

一切のラインや色味が発現しない、ホワイト系のディスカスとなります。赤目のアルビノ種ではなく、単純に白みがかった体色を固定した品種です。

ヒレ先など節々に青みがかかり、改良元となったディスカスの名残が見て取れます。


● 原種ディスカス

ディスカスの完全野生種であり、派手さでは他の改良品種に劣る部分はありますが、ワイルド個体ならではの味わい深さは改良品種をしのぎます。

またワイルド個体なので改良品種より丈夫な点がありますが、やや神経質な性格です。

流通量が乏しく入手難易度が高いので、かなり高価になります。


以上が代表的なディスカスの品種となります。

生体の選び方や必要な器具にかかる費用

ディスカスの生体の選び方ですが、本来テリトリー意識が強い魚はその反面、縄張り争いに負けると水槽の隅などに逃げ込み体色も黒ずむので、その様な個体の購入は避けましょう。

ディスカスは色彩が鮮やかですが、裏を返せば調子を崩すと体色もくすむので、健康で元気な個体選別の目安となります。

そして他の魚同様にヒレが溶けていたり、鰓蓋がまくれていたりする個体は病魚の可能性が高くなるので、この様な状態のディスカス購入も避けて下さい。

飼育に必要な器具ですが表題の様に60cm水槽が最低ラインとなります。

メンテナンス上「ベアタンク」で飼育される事が多いのですが、底砂はアルカリ性に傾くようなサンゴ砂でなければお好みで構いません。

水質に敏感…かつ食べ残し等が多くなるので、最も適したフィルターは「外部式フィルター」です。

60cm水槽で飼育する際はワンサイズ上の90cm、経済的に余裕があれば120cm用の物を使用すれば水質が安定し余裕のある飼育に繋がります。そして飼育水はろ過するごとにphが低下するので「ph測定機」も必ず用意しましょう。

他のヒーターや照明・温度計等は他魚同様のもので良いでしょう。

総合的に見ると初期費用をケチらなければ、他の熱帯魚より少しだけ高値がかかりますが、それほど高額ではありません。

個体については品種ごとに価格の差が大きすぎるので、今回は割愛させて頂きます。

経験則ですが頻繁な水替え等のメンテナンスを行うことができれば安くて20000円ほど、家を空けることが多く余り手入れができない方は50000円ほどで済むでしょう。

ディスカスの飼育方法 – 与える餌やph・水槽レイアウトと混泳について

ディスカス飼育の要はph6.0~6.5の弱酸性の水質を維持することです。通常水道水はph7.0ほどなので各種水質調整剤を用いてphを低めに調整して下さい。軟水基準で飼育しましょう。

レイアウトについてですが扁平で表面積の多い体型をしているので、60cm水槽ほどの大きさならば窮屈になるので余計な物を入れない方がいいでしょう。辛うじて入れるとしたら衝突しても傷つかない様な水草程度にしましょう。

混泳させる魚は吸い付きナマズであるプレコの中でも肉食性の強い種類は体表を舐めてしまうので、おとなしい性格のプレコにします。また同じシクリッドであるエンゼルフィッシュなどの魚種は生活圏が被ると争い合うので、避けた方がベターです。

餌は人工飼料メインで構いませんが、色揚げをしたり栄養補給のため時折「ディスカスハンバーグ」を与えて下さい。

水温は比較的高温を好むので27~30℃前半になる様に設定しましょう。

飼育にかかるメンテナンスや注意事項

基本的にディスカスはかなり水質に敏感な部分があります。

どんなに強力なフィルターでも飼育水を循環させ続けていると、排泄物や残餌の影響で水質は劣化し続けphが高くなりアルカリ性に傾くので、定期的な水替えは必須となります。

最低でも1週間に2/3の水替えは行い、ディスカスに適した飼育水を維持し続けて下さい。

 

先にお話した様に水道水をそのままカルキ抜きしたものはphが高すぎるので、上記の様なph下降剤を使用し適宜軟水にし水替えをするようにして下さい。

水替えの際はホースなどでサイフォンの原理を用い、底面に残った餌や糞などを積極的に取り除くようにしましょう。

急激にphを低下させると「phショック」に陥るので、専用器具を用い元の飼育水のphを測定して慎重に水合わせを行って下さい。

またろ過材等にも弱酸性に傾ける濾材…例えば“ピートモス”等を用いると良いでしょう。


ピートモスは園芸用の物でも構いません。紅茶のティーパックの様に不織布に詰めて水面に浮かべる形でもいいでしょう。

特にディスカスハンバーグ等は水質を著しく悪化させるので、ろ過材は念入りに洗浄しましょう。外部式フィルターに関わらずろ過材は水道水で洗ってしまうと、バクテリアが死滅してしまうので必ず飼育水で洗浄しましょう。

 

まとめ

ディスカス飼育は一昔前は最難関と呼ばれていましたが、一度安定してしまえば、さほどその飼育は難しくはありません。

 

一歩ステップアップし繁殖や幼魚飼育などに発展すれば難易度はぐんと上がるのですが、飼育し続けるという点だけに重点を置けば、要所要所を抑えれば難易度はそれほど難しくはないでしょう。

 

まずは安定した飼育を継続しディスカス飼育に慣れ、将来的なレベルアップに努めてみましょう

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