某映画で人気に拍車がかかった海水魚“クマノミ”。イソギンチャクとの共生は見てて飽きません。
ただ外見と裏腹にその飼育にはコツがいります。
当記事ではクマノミ飼育の基本を丁寧に説明して行こうと思います。
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目次
〈目次〉
クマノミの飼育って難しいの? |
クマノミの種類 |
クマノミを食べる?イソギンチャクとの相性について |
クマノミに適したイソギンチャクの選び方 |
まとめ |
クマノミの飼育って難しいの?
コツを掴めば難しい魚ではありません。
約30種類以上が全世界で確認されています。小型魚のイメージが先行しますが大半が中型魚です。長寿であり平均10年ほど、最大で15年超生きます。
クマノミは暖海に生息する熱帯魚です。種によって異なりますが、平均25℃で飼育します。
大抵のショップはストック中に人工飼料に慣らしています。海水魚用人工餌料は栄養価が良く、その値段も考慮すると理想的な総合食です。時たま人工餌料を食べない個体もいます。そういった場合は活餌か冷凍餌から慣らして下さい。
必須アイテムはライブロックとサンゴ砂です。小型水槽での飼育が顕著なクマノミは水質安定が優先事項です。
これらをセットし最低2週間空回しすると、水槽内は非常に安定します。
フィルターは飼育スタイルで選んで下さい。マメに水換えが行えるなら簡素な壁掛け式や投げ込み式、プロテインスキマー等でも構いません。
仕事が忙しい・メンテナンスに時間が取れない…そんな方は上部式以上のろ過能力を求められます。
水槽は30cm程から飼えます。縄張り意識がかなり強いので、クマノミは群泳飼育に向きません。1pr以上の飼育は更に大きな水槽が必要です。
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クマノミの種類
カクレクマノミ
全長8cm。ニモで一躍有名になったクマノミです。採集個体の多い海水魚ですがこの種は養殖技術が確立しており、安価です。
クマノミ(ナミクマノミ)
全長13cmほど。日本近海でもよく見かける一般的なクマノミです。カクレクマノミと同じく入門種として最適でしょう。このクマノミは共生するイソギンチャクを選びません。
ハマクマノミ
13cm程になります。タマイタダキイソギンチャクのみと共生する変わった種です。名前の通り浜近くの浅瀬が生息域です。
ハナビラクマノミ
ややクマノミのイメージ像から離れます。全長8cm程のこの種は例外的に非常に温和です。その為多種との混泳も非常に容易です。
セジロクマノミ
沖縄南部にも生息するクマノミです。15cm程まで育ちます。飼いやすく丈夫ですが非常に臆病な性格です。
クラウンアネモネフィッシュ
オセアニア近海に生息するクマノミです。やや高価で飼育もコツがいります。クマノミの中級種です。
ペルクラ・クラウンフィッシュ
オセアニア海域に分布するカクレクマノミの近似種です。約15cm程になります。飼育もカクレクマノミ同様容易であり、外国産クマノミの代表種です。
ブラックオセラリス
ペルクラ・クラウンフィッシュの黒化個体を固定化した品種です。飼育も当該種に準拠します。
スパインチークアネモネフィッシュ
15~18cmにもなる巨大なクマノミです。ただ成長するにつれその色彩は黒みがかってしまいます。インド洋~オーストラリアのグレートバリアリーフ・台湾近海など、その生息域は幅広く海域ごとに劇的に体色・模様などが変化します。
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クマノミを食べる?イソギンチャクとの相性について
クマノミは産まれつきイソギンチャクの刺胞の毒には耐えれません。
幼魚の内はイソギンチャクと共生せず、他魚同様の暮らしをすることが知られています。
ある程度成長するとイソギンチャクに何度も接触を試みます。体表には特殊な粘液があり致命傷にはなりませんが、最初はそれなりにダメージを受けます。
何度もそれを繰り返し毒耐性を得て初めて、共生に至ります。
イソギンチャクとの相性は種により様々です。全てのイソギンチャクと共生できる種もいれば、かなり限定的な海域に住むクマノミは、決まったイソギンチャクのみと共生関係を結びます。
もちろん共生相手を誤ればあっさりと捕食されます。また抗体を得る過程で犠牲になるクマノミも少なくありません。
普段良好な関係を持っていたとしても、クマノミが病気にかかったり、極端に弱っていたら要注意です。
粘膜内の抗体がうまく働かず、刺胞の毒が回り呆気なく食べられてしまうのです。
この様にイソギンチャクとの共生はクマノミにとって命懸けなんですね。
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クマノミに適したイソギンチャクの選び方
この点に関しては飼育者によって異なります。
入門種カクレクマノミなどは、予めイソギンチャクとのセット販売が多く見られます。一番安心なのはこの販売形態でしょう。
またショップ内の販売環境にも依存します。ショップでイソギンチャクと同居させている場合は問題ありません。
ですが単体で販売している場合は、肌粘膜内の抗体が落ちているケースがあります。
これは店員さんに指示を仰ぎましょう。自分の知識のみで共生関係を構築するのはかなりの難易度です。
素直に専門家の意見に乗っかる方が、後々嫌な思いをせずに済みます。
現実各飼育書には「このクマノミにはこのイソギンチャク」と明記されています。ただそれは自然界の一般論です。
飼育という状態はクマノミにとってはかなりのイレギュラーです。
共生前提の飼育を考え過ぎです。まずはクマノミ・イソギンチャクそれぞれの健康状態が第一です。
この点をクリアして初めて共生は成り立ちます。
しかもイソギンチャク自体はそうそう何度もトライできるほど、気軽に飼育できません。値段も高価ですし、まずイソギンチャクをきちんと活着させ、長期飼育させる知識も必須です。
余程のベテランでない限り、まずはセット売りから始めた方が良いでしょう
その上で自分の腕に自信が持てたら、個別購入して下さい。
そこまでの熱意があれば、飼いたいクマノミ種に合うイソギンチャクを探すのはかなり容易になっていますよ。
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まとめ
以上の様に話題先行で「取り敢えず可愛いから」と言う理由で飼い始める傾向が強くなっています。
ただ本来、クマノミ専門のマニアもいるほど奥の深い本種です。
事前知識を持ち、正しく飼育してあげて下さいね。