ナマズは日本や中国、朝鮮半島や台湾など、東アジアの河川や沼に生息する肉食の淡水魚です。その大きくて平らな頭部と、感覚器官として機能する長い口ヒゲがとても印象的ですよね。実はナマズは古くから食用魚や観賞魚として、世界各地で親しまれているのをご存じでしょうか?
この記事では、そんなナマズの種類と飼育方法、ナマズの繁殖方法やかかりやすい病気までを解説していきます。
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目次 |
ナマズは飼育可能?種類は? |
ナマズの飼育方法は? |
飼育しやすいナマズは?おすすめの種類 |
ナマズの繁殖は可能?かかりやすい病気は? |
まとめ |
目次
ナマズは飼育可能?種類は?
飼育は可能
ナマズは実はペットとして人気が出てきている魚でもあります。ナマズはかなり巨大に成長する種類もいますが、それは野生でよくみられるナマズです。実際には、大型タイプのナマズを飼育する方よりも、ナマズ目に属する小型の種類のナマズを飼育する方が一般的です。
ここでは、ナマズの種類について解説していきます。
日本に生息するナマズは4種類
ナマズと聞いて一般的に想像されるナマズっていますよね?それは、日本に生息する4種類のナマズかと思います。河川や湖沼に生息しているナマズは釣り人にも格好のターゲットとなり人気を集めています。ナマズを捕まえてはいけない場所もありますので、ナマズ釣りをする際は注意しましょう。
ここで、日本に生息している野生のナマズをご紹介しますね。
マナマズ
ナマズと言えば一般的にイメージされるのがこのナマズではないでしょうか?マナマズは日本各地の河川中流から下流域や湖沼に生息している、体長約60cmほどの最も一般的なナマズです。ナマズは夜行性で、昼間には岩陰に隠れているためなかなか見かけないかもしれませんが、実は近所の川に潜んでいることも珍しくありません。
ビワコオオナマズ
ビワコオオナマズは、その名の通り琵琶湖に生息しているナマズです。日本最大怪魚の一匹で、体長は最大1mを超えると言われている巨大ナマズです。もともと生息数が少ないため、なかなか姿を見ることはできません。飼育されている人も滅多にいない、珍しいナマズです。
イワトコナマズ
イワトコナマズは、その名の通り岩礁帯を特に好んで生息しており、琵琶湖・淀川水系の固有種で、生息している場所がハッキリしているのが特徴です。体長は約40~60cmで野生ナマズの中では小柄ですが、釣ることが最も難しくそれでいて美味しいと言われているナマズなので、幻のナマズとして釣りマニアからも人気があります。
タニガワナマズ
タニガワナマズは、2018年に新種であることが発表された、まだその詳しい生態が解明されていないナマズです。その名の通り谷川に生息しています。姿はマナマズに似ているものの、系統的にはイワトコナマズに近いみたいです。
ナマズ目に属するナマズの仲間は約2800種類
日本に生息している4種類のナマズを紹介しましたが、実はナマズ目に分類されるナマズの種類は他にも約2800種類がおり、ナマズはコイなどについで種類の多い魚種なのです。
ナマズには小型の種類もたくさんいますよ。一般的に飼育されているナマズは、一般的にはこの小型のナマズの仲間が多く、コリドラスやシノドンティス、サカサナマズなどが有名です。
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ナマズの飼育方法は?
では、そんなナマズを飼育するにあたって、どんなことに気を付けて飼育すればよいのでしょうか?
ここでは、ナマズの飼育方法についてを解説していきます。
水槽のサイズ
水槽は飼育したいナマズの体長に合わせて準備するようにしてください。大きく成長する約60cmほどのナマズを飼育するのであれば、水槽は100~120cmサイズは必要になります。小型のアカザであれば30cmほどの水槽でも飼育が可能で、ギギやギバチであれば60cmほどの水槽が必要になります。
また、ナマズは激しく泳ぎ回りよく飛び跳ねるため水槽はガラスではなくアクリル水槽で飼育することをオススメします。
水温は約20度以上を保って、水質は中性
水温の適温は18~28度です。年間を通して、約20度以上の水温を保つようにしてください。また、水質に関しては、先程紹介した4種類のナマズに関しては、カルキ抜きをした水道水でも十分に飼育することが可能になります。水質は中性を保つようにすれば、問題ありません。
ろ過能力の高いフィルターを使用
ナマズは肉食魚のため、水槽内は頻繁に汚れやすいです。ろ過能力の高いフィルターを使用するようにしましょう。水のよどみを防止する、エアーポンプも置いてあげるとベストです。
フタは必ず付けて固定する
ナマズは飛び跳ねることによる飛び出し事故が多い種でもあります。そのため、水槽から外へ飛び出してしまわないように、水槽には基本フタを必ず付けて飼育するようにしましょう。フタは必ず固定して、衝撃によりずれないように気を付けてくださいね。
ナマズの水槽に隠れ家は必須
ナマズは基本的には夜行性の為、日中は岩陰などに身を隠しています。そのため、飼育する際にも隠れられる場所を用意しておく必要があります。隠れる場所がないとストレスを感じやすく、拒食反応が見られる個体もいますので注意しましょう。隠れ家は塩ビ管がオススメです。ナマズは力が強いため、固定できてナマズが容易に動かせたり壊したりできないものを設置してください。
60cmほどになるナマズは単独飼育が無難
基本的に大きく成長するナマズは、気性が荒く縄張り意識が強いため、混泳には向いていません。また、肉食ですので、口に入るサイズの魚は食べられてしまいます。ナマズは夜行性なので、活動時間が異なる種類の魚と混泳させるとストレスになってしまうことも理由の一つです。単独で飼育することが無難でしょう。
小型のナマズは種類によっては混泳が可能
ただし、アカザやサカサナマズなどの小型のナマズは、同種や他種とも混泳も可能です。混泳させたい場合は、小型で性格が温和なナマズを選ぶようにしましょう。
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飼育しやすいナマズは?おすすめの種類
先程一般的に生息しているナマズをご紹介しましたが、実は自宅で飼育しやすいオススメのナマズが他にもたくさんいます。
ここでは、ナマズ目に属する飼育しやすい小型のナマズについてをご紹介していきます。
サカサナマズ
なぜか逆さまに泳ぐという珍しい特徴を持っているのがサカサナマズ。逆さに泳ぐ理由はいまだ解明されておりません。光が苦手で餌を食べることもあまり得意ではないサカサナマズですが、その不思議な愛らしさと温和な性格から、ネオンテトラやグラミーなど、他の多くの小型魚と混泳できる点で飼育しやすいですよ。
コリドラス
コリドラスは小型ナマズの中では最もポピュラーで人気のある魚です。その人気の秘訣は、種類の豊富さ、混泳のさせやすさ、飼育のしやすさ、繁殖のしやすさにあります。また、「水槽の掃除屋」として、他の魚の食べ残しも食べてくれるので、水質悪化を防いでくれる優秀な魚なんです。なんといっても、その間の抜けた見た目と動作が、見る人の心をつかんで離しません。
ピメロディア・ピクタス
長く伸びた白いヒゲが特徴のピメロディア・ピクタス。水質の変化に敏感でやや飼育は難しい傾向にありますが、普段は物陰に隠れて生活していることが多いナマズの中では珍しく、水槽内を活発に泳ぎ回ります。水槽を自由に泳ぎ回る姿が見られる点では、アクアリウムにオススメの種ですよ。
トランスルーセントグラスキャット
体がスケスケの、深海魚のような見た目のグラスキャット。その独特な見た目から、人気が高くなっています。オススメポイントは混泳向きな点と水草レイアウトに適している点です。単独飼育だとむしろ隠れてしまうので、複数で水槽に入れてあげるようにしましょう。水槽レイアウトで体を傷つけてしまうことがほとんどないため、いろいろな水草を設置して楽しむことが可能な魚です。
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ナマズの繁殖は可能?かかりやすい病気は?
ナマズの繁殖は基本的には難しい!
ナマズの水槽内での繁殖例はほとんどありません。60cmほどの大型ナマズは縄張り意識が強く、そもそも複数飼育に向いていないため、繁殖させようとして同じ水槽に入れると喧嘩になってしまいます。
また、野生のナマズの繁殖期は5~6月で、水温や水質変化により繁殖が馬がされていると考えられるため、一般的な水槽飼育ではそこの調整が非常に難しいのです。したがって、ナマズの繁殖はかなり難易度が高いと言えるでしょう。
ナマズのかかりやすい病気
■カラムナリス症(細菌性疾病,尾くされ病)
カラムナリス症は、カラムナリス菌という細菌が原因となり、感染部位の組織が破壊されていく疾患です。
ナマズは肉食魚のため水槽内の水質の悪化が早く、水替えなどこまめに行っていないとそれが原因でカラムナリス症になりやすくなってしまいます。また、暴れるように乱暴に泳いだり力が強くどこかに体をぶつけたりすることも多いため、それが尾され病につながる原因にもなります。放置しておくと他の魚にも感染してしまいますので注意が必要です。
まずは、尾びれの色が変わる、切れてしまっているなどの症状が現れたら他の水槽に移し他の魚と隔離させるようにしてください。また、発症した魚に対しては、塩と抗菌剤を混ぜた薬浴が効果的です。初期の頃であれば0.5%の塩浴のみで治癒させることも可能ですが、効果が認められない場合や症状が進行している場合には、カラムナリス菌に感受性のある抗菌剤を使用した薬浴を試してみることをオススメします。
■白点病(寄生虫病)
体表やヒレに白い点があちこちに見られるようになる病気です。病気の初期はこの白点がぽつぽつと認められる程度ですが、重症になると体一面白点虫で覆われてしまいます。
水温の急激な変化と低水温が原因とみられ、ナマズを水槽に移した際なども変化が大きいと発症が見られます。
水温をやや高めの28~30度にすることで、白点虫の増殖を抑えることができます。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
ナマズにどこか怖いイメージを持たれていた人もいるかと思いますが、実は種類は非常に多く、可愛らしい見た目の小型ナマズも多数存在することがお分かりいただけたかと思います。
ナマズの日本での生息数は年々減少していると言われていますので、マナマズなどの河川に生息しているナマズよりも、家庭で飼育されている小型のナマズの方が今後より一層ポピュラーになっていきそうですね。いずれにせよ、魅力にあふれ何かと話題になりやすい魚ですので、ナマズに興味を持たれたらぜひ飼育しやすい種類のナマズからチャレンジしてみて下さいね。