オランダ獅子頭という品種の金魚がいます。
江戸時代、鎖国下にあった日本で唯一貿易が可能であった国オランダから日本に来たためこの名がつきました。
獅子頭の名の通り頭部の巨大な「肉瘤」が大きな特徴です。
今回はこのオランダ獅子頭について説明していきます。
スポンサードリンク
<目次>
香川県東かがわ市のふるさと納税返礼品!? |
オランダ獅子頭の成長速度 |
オランダ獅子頭は大きくできる? |
オランダ獅子頭の種類 |
まとめ |
目次
香川県東かがわ市のふるさと納税返礼品!?
香川県東かがわ市引田では毎年11月の第3日曜日に、讃州井筒屋式で「日本オランダ獅子頭愛好会全国品評大会」を開催しています。
当市在住の会長佐藤俊夫氏は、絶滅寸前の四国オランダ獅子頭を復活させただけではなく、その敏腕で何度も品評会で全国一位を取った「四国オランダ獅子頭の開祖」とも言えます。
四国のオランダ獅子頭と言えば、真っ先にこの東かがわ市と佐藤氏の名が業界内では挙がるほどです。
当然、芸術品とも言えるこのオランダ獅子頭は10万円を超える個体もいるほど非常に高価です。
ただ驚く事に、同市では高額ふるさと納税者への返礼品にこのオランダ獅子頭を加えています。生物の返礼品とは実に柔軟な発想ですよね。
スポンサードリンク
オランダ獅子頭の成長速度
オランダ獅子頭は、より原種のフナに近い「和金」型の品種に次いで巨大化する事で有名です。
肉瘤も含めた個体の成長速度は、稚魚から2〜3年がピークです。その後の成長速度は非常に緩やかに転じます。
この期間適切な環境下で飼育を行えば、物凄いスピードで大きくなります。
スポンサードリンク
オランダ獅子頭は大きくできる?
まず他魚種でもそうですが、巨大化を狙うなら「可能な限りの広さの水槽・生簀」と「頻繁で高カロリーな給餌」が絶対条件です。
また1匹あたりの水量で、その生育に驚くほどの差ができます。90cm水槽なら4~5匹を目安にして下さい(約250ℓに4~5匹、水量50ℓ/匹です。60cm水槽なら単独飼育です)ストレスを与えない為、単種飼育が妥当です。
そして頭部の「肉瘤」に栄養を取られるので、高タンパク質・高脂質の餌を日に4〜5回与えます。
この種専用の飼料もあり、特徴が似ているランチュウ用のフードも流用できます。
オランダ獅子頭の成魚の平均体長は20〜25cmですが、最大サイズ30cm超の個体も稀に出現します。
飼い主の努力により、大きくできる品種と言えるでしょう。
※補足ですが特別大きな個体と和金を掛け合わせ続けることにより「ジャンボオランダ獅子頭」という品種も誕生しています。歴史ある本種ですが記事の趣旨とは異なるので、ここではご紹介のみに留めます。
スポンサードリンク
オランダ獅子頭の種類
「長手種」「丸手種」と大きく2種類に分類されます。
「長手種」とはより原種に近い和金の様にスラリとした細長の品種を差します。
「丸手種」は頭部から尾部まで楕円形、そして各ヒレもどことなく丸みを帯びており、泳ぎがやや不得手です。
観賞用としては「丸手種」が人気の大部分を占め、オランダ獅子頭も丸手種から様々な種類が派生しています。
その品種はもはや把握しきれないほど多種多様です。ここでは代表的な品種を7種ご紹介します。
丸手種
長手種
オランダ獅子頭のノーマル種、つまり全ての改良品種の元となっています。
体色はやはり和金の血が濃く、金魚らしいオレンジ色です
体色のベースは白色であり、肉瘤が黒色にはっきりと分かれる改良品種です。
目元やヒレなどに黒色スポットを持つ個体が多く、それが少ないほど評価が高くなります。
肉瘤・全身共に黒一色のオランダ獅子頭です。
黒色・青色ベースの改良品種は中国で盛んに品種改良が行われています。
名前の通り全身白色のオランダ獅子頭です。
写真のタイプは長手種で、成長と共に額の肉瘤が育っていきます。
真っ赤な肉瘤を際立たせる品種です。
金魚は「上から見る魚」と言われ、元来池などでの鑑賞の見栄えが求められます。
その点丸手体型で色のメリハリが強い本種は最適と言えるでしょう。
本稿の主役、四国オランダ獅子頭です。
よく育て上げた個体の肉瘤の存在感と、各ヒレの長さは壮観です。
歴史・文化を紐解く上でも非常に貴重な種となります。
全ての生物で極めて稀に発生する色素欠乏症、通称アルビノの個体です。
肉瘤も見事な白色をしています。
他の個体に比べ紫外線や強い光に弱く摂食も不得手なので、飼育難易度は高めです。
最後に補足としてジャンボオランダ獅子頭をご紹介します。
「オランダ獅子頭」と「和金」それぞれの巨大個体を何系統にも渡り掛け合わせ作り出された品種です
熊本県長洲町が原産地であり、地域文化に強く根付いた金魚でもあります。
特徴は最大50㎝の巨大化の一言に尽きます
スポンサードリンク
まとめ
江戸時代から脈々と続く伝統魚「オランダ獅子頭」について説明してきました。
正直高価な魚です。ですが遥か昔から日本人を魅了してやまない金魚です。
言葉では表せない魅力満載の本種、一度飼育してみてはいかがですか。