愛護法改正!飼えなくなる特定動物の種類

2019年6月に動物愛護法が改正されました。
「動物の愛護及び管理に関する法律などの一部を改正する法律」が公布され、既に規制されている状況です。

主にペットショップ等生物を扱う業者への取り締まり強化になっていますが、その中には下記のような事項も盛り込まれています。

・特定動物の愛玩目的での飼育・保管の禁止
・特定動物との交雑で生まれた個体も規制の対象に入る

つまり、環境省が特定動物に指定した種はペットとしての飼育が全面禁止になりました。

自分が現在飼ってるペットは特定動物のリストに入っているのか?
既に飼っている場合は手放さなければならないのか?

今回は自分のペットを守るためにも是非目を通してほしい記事となっています。

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目次

<もくじ>

特定動物とは?特定外来生物とは違うの?
愛護法改正前と改正後何が変わる?
飼育できない種類一覧
改正後でも飼育するには?
まとめ

特定動物とは?特定外来生物とは違うの?

そもそも特定動物とは”人に危害を加えるおそれのある危険な動物とその交雑種”とあり、トラ、クマ、ワニ、マムシなどの哺乳類、鳥類、爬虫類の約650種が対象です。
一般的に考えると主に動物園で飼育されている類となり、普通の人では家で飼おうとは思わない動物となります。

では、私たちに全く関係ないのでは?と思われがちですが、そうではありません。
小さいころ一度は飼ったことがあるミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)も今や緊急対策外来種に指定されています。

いま自分が既に飼っている生体やこれから飼いたいと思ってる生き物が外来種なのか在来種なのか、環境省的にどの指定項目に属しているのかを理解しておくといざ規制がかかったときに素早く判断できるのでよく確認しておきましょう。

出典:https://www.env.go.jp/air/osen/voc/e-as/etc.html

外来種
人の手によって他の地域から持ち込まれた生き物です。
池の水を全部抜いて外来種を駆除するテレビ番組もあるほど今日本の在来種は海外の外来種に脅かされています。
もちろん自分の家で管理して飼育している分には問題ありません。
水生生物ではアメリカザリガニや前述したミシシッピアカミミガメ、ブラックバス、ブルーギル等最近ではワカケホンセイインコが都心で野生化している事例もあります。

日本に元からいる生物ではない全ての生き物のことを外来種といいます。

特定外来生物
外来種の中で「生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすものや、及ぼすおそれがあるもの」を特定外来生物に指定されています。
環境省によって特定外来生物に指定されると「飼養、運搬、保管、輸入、譲渡、放出」が禁止されます。
つまり、外来種であっても国に指定されなければ飼育などは可能です。
特定外来生物は、アライグマ、カミツキガメ、ウシガエル、ヒアリなどが挙げられます。
最近ではアリゲーターガーをはじめとするガー科全種が特定外来生物に指定され、アクア界には大きな衝撃が走りました。

特定動物
特定動物は単純に国が指定した「危険な生き物」となり、在来種・外来種関係なく環境省が人に危害を加える恐れのある動物を指定しています。
動物園で見ることが多い生態ばかりでライオン、トラ、カバ、クマ、ゴリラ、キリン、象などです。
なかなか飼おうと思って飼えるような動物ではありませんが、ニシキヘビやワニガメも含まれます。

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愛護法改正前と改正後何が変わる?

前述の特定動物は自分の住んでる地区、団体に許可を受ければ飼養することができましたが、改正後は愛玩目的での飼養は禁止になりました。
また犬や猫の販売業者はマイクロチップを装着することが義務化され、対面販売義務化や飼養施設についても細かく指導、義務、強化となりました。

出典:https://www.sankei.com/west/news/190517/wst1905170016-n1.html

個人飼育者に関しては「多数飼いによる虐待(衰弱)の場合は勧告や任意の立ち入り検査」から「1頭からでも虐待(衰弱)が見られる場合は勧告や立ち入り検査」が可能となります。
さらに、繁殖に関しても「動物がみだりに繁殖してこれを適正に飼養できない場合、繁殖を防止するために生殖を不能にする手術その他の措置をするように
努めなればならない」から「講じなければならない」に変わりました。

これを読んでる方には関係ないと信じたいですが、動物虐待についても厳罰化が決められました。
・動物を殺傷した場合:2年以下の懲役又は200万以下の罰金
→改正後:5年以下の懲役又は500万以下の罰金
・動物を遺棄、虐待した場合:100万以下の罰金
→改正後:1年以下の懲役または100万以下の罰金

個人的にはもっと罪を重くしてもいいと思いますけどね。

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飼育できない種類一覧

これから新たに少し変わったペットを飼おう!と思ってるのなら少し待ってください。
その動物は外来種ですか?在来種ですか?外来種の中で特定外来種に指定されていませんか?
さらに在来種でも特定動物リストに入ってると飼養できませんので一度調べてみるのをお勧めします。

日本で飼養を許可していない動物は2つの規制によるものが多いです。

特定動物のアナコンダ

・特定動物、特定外来生物法
特定動物は前述通り大型哺乳類や危険生物が多いですし、一個人では購入することすら難しいですし数も多いのでリンクを貼っておきます。
環境省(特定動物):http://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/danger.html
特定外来生物は、ペットとして飼われていた動物も含まれているのでうっかりしてると法律を犯してることになりかねないので注意しましょう。
環境省(特定外来生物):http://www.env.go.jp/nature/intro/2outline/list.html
特に過去に流行ったアライグマや最近リストに加わった魚類のガー科も飼養禁止です。

・ワシントン条約
ワシントン条約では絶滅の恐れがある種の野生生物を保護するための国際取引に関する条約です。
上記の生物法とは違いこちらは動物たちを守るための規制になります。

ウミガメ、オラウータン、スローロリス、ジャイアントパンダ、チンチラ、オウム等

ちなみに野生個体ではなく繁殖された個体は輸出入可能です。
オウムやチンチラなどはペットショップでも見かけることがありますよね。

ワシントン条約規制対象種もリストが3つに分かれていますので下記のリンクも参照してください。
経済産業省:https://www.meti.go.jp/policy/external_economy/trade_control/02_exandim/06_washington/cites_search.html

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改正後でも飼育するには?

既に特定動物を飼育してる人はどうすればいいのでしょう?
まずは自分の住んでる地区の動物愛護管理行政担当に確認してみましょう。
SNS上で多い意見は「環境省からの指示や手続きについての情報がきていない」ので「現在飼育している一代限りは継続飼育可能」になる可能性が高いです。
もちろんいつ手続きの詳細が明確になるか分かりませんので定期的に確認をしておいたほうがいいでしょう。

特定外来生物の飼育継続手続き
規制されてから6か月以内に申請書を提出し、許可を得られればその個体に限り飼養し続けることが可能です。

飼養などの許可を受けるには、特定外来生物ごとに決められている基準に見合った施設を用意してあることが前提です。
そのうえで「特定外来生物飼養等許可申請書」を作成し管轄の環境省地方環境事務所へ提出します。

分からない場合はご自分の生態を購入したショップなどに聞くのが一番早いです。
そのショップも申請書類を提出しているはずですし、書き方も教えてくれるはずです。

申請書類は環境省のサイトでダウンロードできます。

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まとめ

外来種が増えてきて在来種が脅かされることによりこの法律が改正されました。
日本はいま空前のペットブームでその勢いは犬や猫だけにはとどまらず、より珍しくよりレアな珍種へと移り変わってきています。

見た目かわいいから、かっこいいから、流行ってるからという理由で飼うのもいいでしょう。
でも、下調べや準備をきちんとしてほしいと切に願います。
寿命や特徴は理解しましたか?
思ったより大きくなったからとか新しい生態に興味が移り、世話に手が回らなくなったという理由で逃がすなんてもってのほかです!
その個体を不幸にするだけでなく、生態系を破壊するかもしれません。

ペットのブームが移り変わるのと同じように環境省による外来種リストも更新されています。

今飼養しているペットがいつ特定外来種リストに追加されるか分かりません。
特に珍しい生態を飼養している方は法改正にはアンテナを張っておくことをおすすめします。

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