愛知に全国でも著名な金魚の巨大養殖地があります。この地の金魚、何と宇宙旅行にも行っているんです!
本記事では全国、いや海外からもマニアが集まる愛知県弥富市が誇る「弥富金魚」について。更に当地にある全国屈指の丸照・丸福2大金魚養殖場も併せてご紹介していきたいと思います。
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目次
<目次>
弥富金魚とは? |
種類と値段は? |
新種の宇宙金魚も! |
丸富金魚と丸照養魚場 |
まとめ |
弥富金魚とは?
愛知県弥富市は全国屈指の金魚養殖地です。名古屋市から電車で約30分ほどのこの地には、あちらこちらに金魚養殖のため池がズラリと並びます。
歴史は長く宝暦年間(1750年頃)、名古屋を目指す金魚商人が道中立ち寄ったこの地のため池に金魚を放します。
その金魚に魅せられた旧弥富町民が延々と飼育を続けました。
明治時代に入り佐藤宗三郎氏という人物が初めて繁殖・孵化に成功します。
ここから金魚の産地弥富が誕生しました。
弥富金魚と言うと特定の種を差すと思われますが、固有名詞ではなく弥富市を中心とした地域で産出された金魚全般の名だそうです。
そして現在弥富市では何と!日本にいる全26種の金魚全てを養殖しているとのことです。
理屈から言えば全国全ての金魚が「弥富金魚」と言うことになります。
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種類と値段は?
上記の通りこの弥富市に行けば日本で認められている26種全ての品種の金魚が手に入ります。
また値段もピンキリです。
極端な例を挙げると2021年の正月初競りでは体長20cm超の「アズマニシキ」と言う品種が過去最高値、何と7万円という高額で競り落とされたそうです。
ちなみにそれまでの最高値は1万9千円。
おそらく験担ぎ的なものもあるのでしょうが、驚きの値段ですよね。
また稀に巨大化した高級金魚である「ランチュウ」が10万円オーバーをすることもあるそうです。
補足として各養殖場のお値段の方も調べましたが、直売ということで全体的に相場は安いのが印象に残っています。
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新種の宇宙金魚も!
弥富金魚には近年の逸話があります。
記憶に新しい方も多いでしょうが平成6年(1994年)向井千秋さんがスペースシャトルで宇宙に旅立ちます。
その際、宇宙空間の実験に用いるため幾多の生物を共にするのですが、その中に「弥富金魚」が選ばれます。
理由としては「宇宙酔い」に関するデータ収集です。
金魚の耳構造は人間に似ており、そのため弥富金魚がピックアップされました。
この際用いられた金魚は「宇宙金魚」と名付けられました。
あくまで実験用で宇宙に行ったのみで品種改良等は当然施されていません。
ですが人間ですら体験できない宇宙空間を経たこの金魚は、ある意味新種と呼んでもいいのではないでしょうか?
この宇宙金魚の子孫は順調に子孫を残しているようです。
またこの宇宙金魚とは別に平成8年(1996年)に江戸錦とランチュウから「桜錦」という正真正銘の新品種を作成しています。
この金魚が日本で認められている26種の内最後の金魚で、実に18年ぶりの快挙でした。
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丸富金魚と丸照養魚場
弥富金魚は3つの卸売市場を所有しています。
かなり珍しい金魚の漁協である「弥富金魚漁業協同組合」が存在し、民間会社によって運営されています。
その中でも老舗の金魚店が丸富養魚場(金魚・錦鯉専門店マルウ)と丸照養魚場です。
特に丸富養魚場は弥富金魚の「御三家」と呼ばれるほどの名店です。
かなり昔気質の気質らしく、買う金魚を選んでいたら大幅に負けてくれたり、気さくの良い店風が地元風土にマッチする人気店です。
その他にも数え切れないほどの金魚専門店が、少し調べるだけでもズラリと並びます。
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まとめ
由緒ある歴史を持つ弥富金魚ですが、1977年をピークに金魚養殖者は1/4ほどに激減しています。
近年品種改良の目覚ましいヒメダカにシェアを奪われつつありましたが、とどめは愛知県で猛威を振るうコロナ禍だそうです。
金魚すくいの屋台に卸す金魚が概ね全体の1/4以上を占めています。お祭りも容易に開催できない今、かなりの量の金魚が在庫に余り各店舗、市民への無料配布などで新規のお客を掴もうと必死です。
コロナが晴れた暁にはお祭りの金魚すくいに弥富の面影を感じ、可能ならば是非、弥富の地を来訪されてはいかがでしょうか?