コースタルカーペットパイソンはオーストラリアのクィーンズランド州及びニューサウスウェルズ州の東海岸沿いに生息するカーペットパイソンの仲間です。
突然変異で最も有名な「モルフ」こと“ジャガーカーペットパイソン”の原種であり、様々なモルフが作出されており、非常に人気の高いカーペットパイソンです。
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目次
コースタルカーペットパイソンとは?大きさや性格について
出典:Wikipedia(EN) セミアダルトサイズのコースタルカーペットパイソン
コースタルカーペットパイソンはカーペットパイソンの仲間の最大種になり、全長2~3m前後がアダルトサイズとなります。
例外的に巨大化することもあり、生息現地では最大4.5mという記録もあります。飼育下でそこまで巨大化することは滅多にありませんが、稀に巨大化するので大き目のケージ飼育を考慮しておいた方がいいかも知れません。
大人しい性格のカーペットパイソンの中でも、その平均サイズから頑丈な個体が多く飼育も容易で、世界中に本種のモルフのファンが存在します。
名前の「コースタル」は英語で沿岸域を指し、彼らの生息地が海岸沿いに集中していることを示唆しています。積極的に人を襲うこともなく、有毒種でもありません。
その大きさ以外に持て余す要素もなく、他と比較すると若干地味と捉えらてしまう体色を持つ野生種すら人気が高く、各国で派生したモルフを中心に最も飼いやすいカーペットパイソンと言っても過言ではないでしょう。
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コースタルカーペットパイソンのモルフの値段
出典:Carnivora 最も高価なモルフ種「ジャガーカーペットパイソン」です
コースタルカーペットパイソンの最も有名なモルフは、前述の『ジャガーカーペットパイソン』です。先に「モルフ」という言葉を簡単に説明すると『突然変異種を固定したもの』となります。アルビノ固定種などと広義の意味で同一ですね。
この「ジャガーカーペットパイソン」から派生したモルフはさらに高額になりますが、その中でもジャガーカーペットパイソンはもっとも流通量が多い種であり、値段は70000~100000円とかなり高価になります。
更にコースタルカーペットパイソンのややこしい部分は、日進月歩で次々とモルフが作出されているという点です。もちろん母数…つまりモルフの数が少なければ反比例し値段が跳ね上がり、広く流通し繁殖までされるとなると値段は下降する傾向になります。
逆に最も安価な種は、原種である「コースタルカーペットパイソン」です。
コースタルカーペットパイソンの原種は約20000~40000円ほどです。
他にもこの“コースタルカーペットパイソン”をベースとしたモルフが数多く生み出されているので、順番にご紹介していきます。
ゼブラカーペットパイソン
ゼブラカーペットパイソンはヨーロッパの個人飼育者がジャングルカーペットパイソンを繁殖させた際にランダムに出現したモルフです。写真の様にゼブラ柄のバンディングやスポット模様が強く発現します。
このバンディング・スポットは、ジャングルカーペットパイソンの体色に見られる通常パターンに取って代わり、純粋な黄色状の体色にかなり強いアクセントを加えています。
ジャングルカーペットパイソンと並ぶ人気モルフであり、なかなか目にすることも難しい種類となります。
アルビノカーペットパイソン
出典:STAR PYTHONS 平均価格8万円前後
写真は純粋なコースタルカーペットパイソンのアルビノ個体です。標準的なアルビノ個体のモルフであり、目の赤みや体側・体表に走るラインやスポットなどの色味の差で、さらに細かく分類されるケースがほとんどです。
メラニン色素欠乏種なので「視力の弱さ」「紫外線など強い光への耐性」が非常に弱く、その飼育は非常にデリケートになります。
特に餌などを自力で発見するのが苦手なので、冷凍マウスなどを刻み匂いを出したり、ホットスポットなども場合によっては夜間用のライトを適宜使用して下さい。
アザンティックカーペットパイソン
出典:STAR PYTHONS 平均価格6~8万円前後
本来のコースタルカーペットパイソンの色素が欠乏した劣性遺伝個体のモルフです。白と黒のバンディング・スポット・ラインがくっきりと発現する美麗種です
黄色色素が完全に欠乏しているため、アルビノ種ほどではありませんが飼育に困難さが伴います。
黄色みが完全に抜けた状態を「アザン化」と呼び、アザン化すると白と黒の対象色がくっきりと発現し、原種のコースタルカーペットパイソンとは全く異なる様相を見せます。
キャラメルカーペットパイソン
出典:STAR PYTHONS 平均価格8~9万円
遺伝学が絡みかなり難解な説明になりますが、本来の黒色部分と名前の由来にもなった黄色部分が「共優性」という形を取ります。
単純に説明すれば黄色と黒色が混ざり合う…あるいはどちらかが強く発現する、バンディング・スポットが強く表れます。原種はコースタルカーペットパイソンから派生したモルフであるジャガーカーペットパイソンです。
一見するとやや地味な感じを受けますが、成長するにつれどちらかの色味が強くなり、飼育環境等にも若干左右されるため「飼育に伴う体色の変化」を楽しめる種ともいえるでしょう。
ス-パーキャラメルカーペットパイソン
出典:DRM Repfarm 平均価格12~15万円(黄色味の強さにより激しく変動)
ジャガーカーペットパイソンの黄色体色をより強く発現させたモルフとなります。
なかなかお目にかかれないモルフであり、この手の色合いのヘビであることから必然的にかなりの高額種となります。
写真の様に濃い黄色の体色を取る個体はかなりレアであり、費用は掛かるのですが是非ペアリングをして繁殖を目指して欲しいほどの逸材的モルフですね。
グラナイトカーペットパイソン
出典:STAR PYTHONS 平均価格3~5万円ほど
交ざり気のないラメ状のきめ細かい模様が特徴的なモルフです。
他のモルフより発現率が高いのか、大元の原種であるコースタルカーペットパイソンとほぼ同じ価格帯となります。
ただ大切に育て十分な大きさに育った本モルフは、その細かいラメ柄が非常によく目立つようになり、値段以上の価値があるモルフとも言えるでしょう。
ハイポメラニスティックカーペットパイソン
出典:STAR PYTHONS 平均価格7~8万円
ハイポの遺伝系統のモルフです。ハイポとは本種の名にある様に『ハイポメラニスティック』の略で、「黒色色素が減少している」という意味です。
アルビノとハイポが異なる点は、アルビノは黒色色素(メラトニン)の完全欠乏でありこのハイポはあくまで“色味が薄いモルフ“に限定されます。
簡単に言えばコースタルカーペットパイソンの黒い部分が薄くなり、淡い茶色に置き換わったモルフということですね。
タイガーカーペットパイソン
出典:DRM Repfarm 平均価格7~10万円ほど
体側面のバンド模様が体に対して縦のラインになるパターンのモルフです。
タイガーカーペットパイソンは国内ではあまり流通しないモルフです。理由は不明ですが産出国や現地での人気が高いのでしょうか?
更にタイガーカーペットパイソンのコンボモルフ(アルビノ・ハイポなど別系統の遺伝形質をかけ合わせたもの)も存在しますが、頻繁に見かける事はないので手に入れたい方は側買いした方がいいでしょう。
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コースタルカーペットパイソンの飼育費用と値段
コースタルカーペットパイソン及びそのモルフ飼育にかかる費用ですが、個体の値段は前項のモルフ種紹介で提示したとおりのお値段となります。
またケージについてですが、基本的にその成長に合わせてグレードアップしていく方が良いでしょう。理由として『コースタルカーペットパイソン』はカーペットパイソンの仲間で最大種であり、将来の最大全長にかなりのばらつきが生じるからです。
4m台のコースタルカーペットパイソンをいきなり飼育するのならともかく、大抵は20~30cmほどの個体から飼育を始める方が多いと思います。余りに広いケージだと野性味を取り戻し気が荒くなったり、そもそもルーチンワークであるメンテナンスにかなりの時間を割かれてしまいます。
そのため飼育費用という点で見れば、ケージ自体にかかる値段は一意的に○○円と言い難い面があるでしょう。
ただ最終的にはかなり大きくなる種なので、奥行きと横幅は充分に取るようにして下さい。最低でも120~150cmほどの横幅、60cm程度の奥行きは必要となるので飼育ケージには5~6万円ほどかかるということを念頭に置き飼育をして下さい。ちなみに半樹上種なので高さは45~60cmほど…場合によってはそれ以下でも構いません。
出典:BP.net コースタルカーペットパイソンの飼育例
その他の必需品としては「ホットスポット用のライト」「水場」「温・湿度計」そして飼育環境によっては「爬虫類用サーモスタット」も必要となります。
成体の価格とケージ以外にかかるこれらの飼育費用は、前者の2つに比べると微々たるものです。全て合わせても10000円台後半ほどに収まるでしょう。
また個体価格や飼育環境構築にかかる費用以外に、餌や電気代等の継続費用が挙げられます。
幼蛇の間は良いのですが……ことアダルト個体になると、その巨大さゆえに小手先の暖房器具等はかえって電気代等がかさんでしまいます。
そのためエアコンを使い部屋全体を暖める方法を推奨します。
確かにプレートヒーターや暖突等を駆使して気温を保つことは可能ですが、器具によってはサーモスタットが使えないものもあり、そもそもメーターオーバーの蛇を飼育するにはメーカーごとの最大規格ですら補いきれない部分もあります。
全てにおいてビッグサイズの飼育用品を要求する上に、高価な蛇なので出し惜しみせず飼育することをお勧めします。
電気代は契約されている電力会社にあらかじめ確認しておいた方が良いでしょう。
餌は幼蛇時は3日に一回、成体は1週間に一度与える程度で構いません。基本的には冷凍マウス・ラットなどの哺乳類で問題なく飼育できます。
餌にかかる費用はそこまで膨れ上がる事はありません。一月で5000円ほどを目安に考えればいいでしょう。
これらを考えるとコースタルカーペットパイソンの飼育費用と値段は、生体込の環境づくりで「生体価格+6~7万円」そして飼い続けるための月々の電気代・冷凍餌などを加味する必要があります。
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コースタルカーペットパイソンの繁殖方法
出典:Youtube
コースタルカーペットパイソンは数々のモルフが産み出されている様に、国内外で盛んに繁殖が行われています。
生後3年を超えると雌雄ともに性成熟し繁殖に持ち込めます。繁殖方法は以下の通りです。
- まずは2週間のクーリングを行います。夜間気温を22~24℃まで下げ日中との寒暖差をつけます。急激な気温の低下は生体へのダメージになるので、緩やかに下げて下さい。
- 雌雄のペアリングを行います。大原はメスのケージにオスを入れる事です。オス個体は縄張り意識が強くメスをいれると攻撃してしまう可能性があるので避けて下さい。
- 相性が合えば交尾を始めます。オス・メスが絡まり合う交尾なので交尾の確認はかなり簡単です。
- 交尾終了後、オスはすぐ元のケージに戻しましょう。概ねの目安は1週間で、交尾に至らなければ1週間のブレイクを置き再チャレンジしましょう。
- 脱皮時に腹部を上にしたら、メスが受精したサインとなります。
- 卵を確認したら取り急ぎメスを別ケージに移動しましょう。
- 人工孵化の場合、28℃の温度、湿度70%維持し続けます。卵が極端に蒸れないよう風通しを良くすると約2ヶ月ほどで子蛇が孵化します。
幼蛇が孵化ししばらく経ったら3日に1回、冷凍ピンクマウスを給餌して下さい。
その後は成長に応じ段階的に給餌スパン・冷凍飼料を切り替えましょう。飼育方法は成蛇よりやや高めの温度で育てるとかなり安定し成長できます。
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まとめ
今回はニシキヘビの仲間「コースタルカーペットパイソン」について紹介しました。やや高価な蛇ですが、金額に見合うモルフが多く存在しコレクションをする醍醐味もあります。
個人飼育者の間でも繁殖が頻繁に行われており、独自のモルフを作り出せるという大きな魅力もあり、ぜひ一度飼育してみたい蛇ですね。