スナネズミの飼育方法・そのお値段について!徹底解説していきます

スナネズミは古くから、可愛らしい外見と飼育のしやすさから、愛玩用ペットとして親しまれてきました。

東アジアの広範囲にかけ野生種が生息しており、一部生息域がハムスターの野生種と重なります。そのためハムスター向け飼育用品のほとんどが流用可能という利便性も持ち合わせています。

今回はそんなスナネズミの飼育方法全般について、お伝えしていこうと思います
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《目次》

スナネズミの特徴や生態について
スナネズミの飼育方法
スナネズミの飼育費用・価格ってどのくらい?
スナネズミ飼育の注意点とは?
まとめ

目次


スナネズミの特徴や生態について

出典:Wikipedia


スナネズミの野生種は、中国・モンゴル・ロシア南東部の砂漠地帯、その周辺の草むらなどに幅広く生息しています。

野生個体はかなり過酷な環境下に暮らしており、水分や餌も乏しく、時には40℃超えの気温に晒されることさえあります。
スナネズミが生活する上で最も活発に活動できる気温は20〜28℃の間です。
言い替えると四季を持つ日本はスナネズミにとって、かなり恵まれた環境となる訳です。

基本的には昼間に活動する昼行性の哺乳類であり、その食性も雑食性のため、特別な餌を用意する必要は一切ありません。

大人のスナネズミの体長は約15cm程になり、ゴールデンハムスターの成獣とほぼ同サイズです。
スラッとした体型、そしてハムスターにはない尾を兼ね備えることから、見た目はやや小柄に見えます。

特徴的な細長い尾は体長よりも長くなり、二本足で立ち上がる際の起点や支え、そして栄養を蓄える役割も持ちます。

最近はあまり見かけませんが、過去によく流通した近縁種「ファットテールジャービル」は、生息地がより過酷なため、スナネズミより数倍太い尾を持つほどです。

この様にスナネズミの特徴・生態として真っ先に挙がるのが、環境変化に極めて強い!という点でしょう。

その反面ハムスターなどとは違い野生の血が色濃く残り、やや臆病な性格・神経質な傾向があります。
新しい環境下など慣れない場面では、不意に驚くほどの跳躍を見せるので、可能な限り静かな場所で育ててあげましょう。

近年はかなり人馴れ(ペット化)が進んでおり、筆者が飼育した30年前と比べると、かなり落ち着きがある大人しい個体が多く見受けられます。

以下の記事でさらに詳しい生態や名前の由来と人との関わり合いなどについて記載されています。

この記事では、スナネズミの生態や名前の由来と人との関わり合いなどについて調べてまとめている記事となっています。

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スナネズミの飼育方法

Of Rats, Gerbils, and Men | The New Yorker
出典:The New Yorker 野生下のスナネズミ


それではスナネズミの飼育の方法についてお話ししていきます。

私が行きつけのショップ店員は「累代飼育が長年続き、かなり人に依存する面が増えた」と話してくれました。
ただ基本的に性格は個体ごとに変わるものと考えて下さい。
多くの飼育者が期待する“慣れ”については、購入先のスタッフに相談してみたほうが良いですね。

スナネズミ飼育に最適なケージは「水槽」もしくは「市販の小動物用ケージ」の2点です。

水槽は保温性が高く冬場の飼育に便利な反面、夏場の酷暑時などはエアコンなどで冷やす必要があります。

逆に小動物用のケージは金網状で風通しが良く夏場の飼育に適していますが、冬場は逆に保温性に乏しくなります。

季節ごとに使い分ける飼育者もいますが、基本的に年間を通し『ケージ飼育』で全く問題ありません。

スナネズミの体温は37〜39℃程ですが実は高温にかなり弱く、体温と同等か数℃上回る気温下に置くと、みるみる内に弱ってしまいます。
いくら日本の酷暑でも、連日40℃を上回ることはありません。

そして動物飼育の大前提として、冷やすより温める方が「楽」であり、コストもかかりません。

この点が水槽ではなくケージ飼いをお勧めする最大の理由です。

スナネズミ飼育では水槽に限らず、夏場をいかに乗り切るか?そこに重点を置き飼育ケージを選んで下さい。

冬場は必ず保温が必要となりますが、そこは変温動物なので必要以上に身構えなくても良いでしょう。

実際に飼育した身からすれば、保温性の高い綿状の床材を使ったり、100円ショップの安価な毛布等でケージを暖めるくらいで十分冬場は乗り切れました。

またケージには脱走防止のため必ず蓋をして下さい。
50cm程度の高さであれば、悠々と飛び越してしまいます。

餌は雑食性で好き嫌いは全くなく、スーパーの野菜とハムスター用フードを併用すれば、問題なく飼育・健康維持が可能です。

スナネズミは本来、水分が乏しい乾燥地帯に生息するので、植物などから水分補給をしています。
そのため、野菜をよく食べるスナネズミには全く水を飲まない個体さえいるほどです。

時々オヤツとしてバナナや熟したリンゴ・ひまわりの種などをあげると、とても喜んでくれます。

注意点として、刺激物・加工物の類は絶対に与えないでください。

具体例として「ネギ」「玉ねぎ」「ニンニク」「薬味」「チョコレート」「清涼飲料水」などが挙げられます。

刺激物は即座に死に至ることはありませんが、その殆どが本来人間しか食べないものです。
犬や猫と同じ様に中毒を起こし、衰弱死に繋がるので決して与えてはいけません。

清涼飲料水等の加工物は依存性が高く、与え続けるとそれしか口にしなくなります。
含まれる糖分もスナネズミより遥かに巨大な人間を基準に配合されています。

これはスナネズミ以外の小動物の給餌でも、かなり多く耳にする失敗例です。
人で言う生活習慣病になり呆気なく死んでしまうので、良かれと思い人間用の加工物を与えるのは、スナネズミ飼育において禁止事項となります。

ケージに敷く床材は飼育者の好みやコスト面から多種多様な選択肢があります。

昔は…新聞紙を引いたり、細かく割いて保温をする飼育方法しかありませんでしたが、今は市販品の豊富さに目移りしてしまいます。

主流は木材を細かくチップ状にしたものです。
ランニングコストとスナネズミの健康を考えると、こちらが最も適しているでしょう。

変わり種としては生息地に合わせた「砂」や「猫用トイレ砂」を使う飼い主もいます。

これらを使う利点は、そもそもが生息地に似た床材なので、小動物につきもののストレス緩和に繋がることです。
トイレ砂は排泄物の部分だけ変色するので、管理が容易になると言う点が挙げられます。

ただ飼育開始直後はショップにいた頃の床材が一番慣れているはずです。
それを継続使用するのが一番良いでしょう。

その他必要な飼育用品は「水入れ」「餌入れ」「回し車」「齧る木材」「巣箱」と言ったところです。

水入れは排泄物混入の危険性がない、ボトル式の給水器を選びましょう。
糞尿が混ざってしまうと自家中毒を起こしてしまい、身体が小さなスナネズミにとって致命傷になりかねません。

最低でも一日一回は新鮮な水に取り替えて下さい。

餌入れは特別なものは必要ありません。
水入れと同じ様に排泄物が餌についていたら、すぐに破棄しましょう。

回し車を入れると、ほとんどのスナネズミが我先に競い合うほど好んで使ってくれます。

野生のスナネズミは広大な砂漠地帯・近隣の草地など常に長距離を移動しています。
小さなケージ内だと確実に運動不足になるので、こちらも健康面から見て必需品と言えます。

最後に齧る木材ですが、これはスナネズミが齧歯類…つまり一生その歯が伸び続ける特徴を持つので必要となります。

ただ常日頃から固めの餌を与えていたり、巣箱等を齧る様であれば、用意しなくても問題ないでしょう。

巣箱はなくても構いませんが、臆病な個体やペットショップから連れ帰った直後はかなり役立ちます。
素材も安全なものを使用しているので、間接的に齧り木としての役割もこなしてくれます。

ハムスター用でよく見るプラスチック製のものは、なるべく避けた方が無難です。

ただデメリットとして、スナネズミがあまり懐かなくなるという可能性があります。
完全にスナネズミが隠れてしまう巣箱ではなく、文鳥用のつぼ巣など、間口が広く互いを視認できる様な巣箱を使って下さい。

スナネズミは人懐こい一面もあり、落ち着くと逆に人を観察する様な可愛い一面も持ちます。

手渡しでひまわりの種などのオヤツをあげたり、怯えない程度に手を差し出し人の匂いを覚えてもらい、徐々に仲良くなっていきましょう。

最後に最大の注意点ですが、スナネズミは集団飼育が可能であり、数匹を一ケージ飼育することが多々あります。
この際オス・メスが同居していると年間を通しいつでも繁殖してしまうので、必ず雌雄は別ケージで飼育してください。

発情期のオスは局部が極端に肥大するので、その性判別はかなり容易です。

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スナネズミの飼育費用・価格ってどのくらい?

How To: Set Up a Gerbil Cage - YouTube
出典:Youtube 本格的なDIYケージで飼育することもあります。


スナネズミの飼育費用・価格…つまりは初期投資とランニングコストはかなり気になりますよね?

現在、脊椎動物の哺乳類・鳥類・爬虫類は動物愛護法により、店頭での責任者による飼育説明・同意書等の書類への記名が必須となっています。

そこためWeb上や通信販売は不可能なのです。
仮にその様なサイトがあったら、それは確実に犯罪行為なので気を付けて下さい。

スナネズミは別称の「サンドジャービル」「ジャービル」と言う名で販売されるケースもあります。

全て同じ“スナネズミ”となるので、購入時にはこの点も覚えておきましょう。

気になる価格ですが、原種カラーのスナネズミ一匹あたり1,000〜3,000円ほどかかります。

更に「カラージャービル」というマダラ模様や白変種・黒変種も市場によく出回ります。
やや割高になり一匹が3,000円前後となります。

飼育用品は特別なものを購入する必要は一切ないので、他の小動物やエキゾチックアニマルと比較し、かなり初期投資は安価になります。

「金網状のハムスター用のケージ」「給水機」「床材」「餌入れ」「巣箱」全てを合算しても、10,000円札を用意すれば、確実にお釣りがくる価格帯です。

ランニングコストは「餌代」と「床材」が大半を占めますが、1ヶ月で1,000円もかかりません。

冬場などの保温機器は少し割高な「小動物用ヒーター」「ヒヨコ電球」が代表的な暖房機器ですが、一つ一つの単価は約3,000円ほどです。

ただ一度購入すればかなりの長期間使用可能なので、長い目で見れば高い買い物でもないでしょう。
アルミ製の保温マットや毛布などを併用する事で、電気代はグッと下がります。

下記の記事で飼育に必要な用品の選び方などについてさらに詳しくまとめております。

この記事では、スナネズミの飼育に必要な飼育用品の選び方からオススメなどについて調べてまとめている記事となっています。

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スナネズミ飼育の注意点とは?

Mongolian Gerbil 04
出典:DEVIANT ART この様に集団飼育が可能です。


スナネズミ飼育には注意点が非常に少なく、一匹一匹のスナネズミを大切に育てる余裕があります。
既にお話ししましたが、注意を払うべき点は『与える餌』『予期せぬ繁殖』『飛び出し事故』の3点です。

小動物であるスナネズミは刺激物・人間用の加工物はもちろん、単食も内臓疾患などの弊害を生みます。

特に「食いつきが良い」「美味しそうに食べるから」といった理由で、ひまわりの種など高カロリーの餌を与え続けると、すぐに肥満化してしまいます。

自然界におけるスナネズミは、かなりの粗食生活を送っています。
おやつなどは元々必要としないので、本来は与える必要さえありません。
最低でも月に一度与える程度に留め、長生きさせてあげましょう。

予期せぬ繁殖もかなり頻繁に起こります。
大抵は乱暴な多頭飼いが原因なので、集団飼育をし繁殖をさせたくない場合は、必ず雌雄を別ケージに分けて飼育して下さい。

雌雄判別が難しい場合は、購入時にショップ店員へ確認しましょう。
名前の通り放っておくとネズミ算式に増えてしまう上に、母体にもかなりの負担がかかってしまいます。

最後の注意点は飛び出し事故ですが、現在市販されているケージの殆どが屋根を備えているので、通常はほぼ起こらないでしょう。

ただケージ内の掃除など、ふとした隙をつきジャンプして脱走する事があります。

一度脱走するとかなり捕獲が困難なので、日頃の世話を行う際は、こうした脱走事故があることを念頭に置いて下さい。

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まとめ

久しぶりにスナネズミの事を思い出し、その飼育に興味を持つ方向けに筆を取ってみました。

参考のためペットショップに赴くと、驚くのはその飼育用品の豊富さです。
初めて飼育される方は目移りしてしまいますが、本来はごく簡単な設備で飼育できる動物です。

ぜひ当記事を参考にし、余った時間や金銭面はスナネズミとのコミュニケーションに充てて見て下さい。

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