パイロットフィッシュは、水槽の立ち上げ時に重要な役割を担う魚で、水槽内の環境が安全かどうかをテストするために水槽に最初に入れる魚のことを指しています。
しかし、なぜパイロットフィッシュが必要なのか、どうして水槽内の水質環境の安全性をチェックすることができるのか、どんな魚がパイロットフィッシュに適しているのかなど、アクアリウムを始めたばかりの人なら分からないことも多いかと思います。
この記事では、そんなパイロットフィッシュに関する疑問や役割、種類についてを、ひとつひとつ解説していきます。
あなたが選んだ魚を大切に、長く飼育していくために、パイロットフィッシュは必要不可欠ですので、ぜひ役割を理解して上手く活用してくださいね。
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目次 |
パイロットフィッシュの役割って?入れる期間はどのくらい? |
パイロットフィッシュの特徴と選び方は? |
淡水におすすめのパイロットフィッシュ |
海水におすすめのパイロットフィッシュ |
まとめ |
目次
パイロットフィッシュの役割って?入れる期間はどのくらい?
パイロットフィッシュには、大きく二つの役割があります。
役割その①バクテリアを早く増やしてくれる
熱帯魚を飼育するにあたって、立ち上げたばかりの水槽は、少しのフンや餌の食べ残しでも水質汚染が早く、丈夫な魚しか耐えられません。この水槽内の環境を安定させるために、フンや食べ残しなどの有害物質を分解してくれるバクテリアの存在がかなり重要なのです。
バクテリアがたくさん繁殖している水槽であれば、有害な物質は溜まりにくいため水質が大幅に変化することがなく、水替えの頻度も少なく済みます。
しかし、水槽内のバクテリアを増やすためには、バクテリアの栄養となる有害物質を増やす必要があります。そのため、水質が悪い立ち上げ時の環境でも飼育可能なパイロットフィッシュが、その役割を担ってくれるのです。
役割その②水槽に異常がないかどうかを確かめる
お目当ての魚を水槽に入れてこれからの観賞を楽しみにしていたのに、環境が合わずすぐに死んでしまっては悲しいですよね?水槽内の環境に異常があるかどうかは、外から見ているだけではわかりづらく、目視できるものでもありません。
そんな不安がある時こそ、パイロットフィッシュの出番です。すぐに水槽に本命の魚を入れることに不安がある方は、パイロットフィッシュを入れて様子を見ます。環境の変化に弱く、体が弱い魚をこれから飼育したい際には、事前にパイロットフィッシュを入れるようにすることをオススメします。
水槽立ち上げ期間は約1か月程度
パイロットフィッシュを入れてから、水槽内の環境がある程度安定するようになるまでには、約一か月程度かかります。もちろん、水槽のサイズや入れるパイロットフィッシュの数によって立ち上げ期間は前後しますので、元気に泳ぎ回っている様子が安定して見られるようになるまでは、パイロットフィッシュの様子をじっくり観察して様子を見ましょう。
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パイロットフィッシュの特徴と選び方は?
では、どんな魚がパイロットフィッシュに適しているのでしょうか?また、どんな基準で選ぶべきなのかよくわかりませんよね。
ここでは、パイロットフィッシュに向いている魚の特徴と選び方についてを解説していきます。
パイロットフィッシュに向いている魚の特徴
1.体が丈夫
体がある程度丈夫でなければ、バクテリアが増殖して水槽内の飼育環境が整う前に死んでしまいます。また、水槽内の環境が不安定な状態からパイロットフィッシュを入れるわけなので、体が丈夫でないと務まりません。
2.手頃な価格で流通量も多く手に入りやすい
パイロットフィッシュは、弱ってしまうもしくは死んでしまうリスクがある魚ですので、高価で流通量の少ない魚はオススメできません。もし死んでしまっても補うことができる比較的安価ですぐ手に入りやすい魚が向いているでしょう。
3.餌をガツガツ食べる
餌に対して貪欲な魚の方が、パイロットフィッシュに向いていると言えます。与えられた餌を食べ残してしまうと、食べ残しにより水が汚れて安定した綺麗な水質の水槽環境を作るスピードを遅めてしまいます。
パイロットフィッシュの選び方
基本的には、パイロットフィッシュに向いている特徴を持っている魚を選べばOKなのですが、役目が終わった後のパイロットフィッシュをどうしたいかによって、さらにパイロットフィッシュの適した選び方は変わってきます。
パイロットフィッシュをそのままアクアリウムとして楽しみたい
・水槽を泳ぐ姿が美しく、見栄えする魚を選ぶ
・他の魚とも混泳しやすい魚を選ぶ
この場合は、さらに上記の条件を満たす魚がよりパイロットフィッシュとしてふさわしいでしょう。美しい見た目をしていて、後から他の魚を入れても共存できるのであれば、そのまま癒し効果抜群のアクアリウムとして楽しむことができます。
パイロットフィッシュをそのまま主役魚の餌にしたい
・主役魚が餌として捕食できる魚を選ぶ
この場合は、主役魚が餌として食べることのできる魚をパイロットフィッシュとして選びましょう。少し残酷ではありますが、パイロットフィッシュとしての役目を終えた後、主役魚の餌として与えるケースは意外と多くみられます。
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淡水におすすめのパイロットフィッシュ
では、実際にパイロットフィッシュとしてオススメの魚をご紹介していきます。まずは淡水から!
アカヒレ
アカヒレはコイの仲間で、非常に丈夫なことで有名な熱帯魚です。見た目はやや地味ではありますが、水質や水温の変化、低酸素などの過酷な環境にも耐えられるタフさを持っていますので、パイロットフィッシュとして安心して迎えられる魚ですよ。
ネオンテトラ
鮮やかで美しい見た目から、熱帯魚の代表格としてもかなり人気のあるネオンテトラ。実は体も意外と丈夫なので立ち上げ時の不安定な環境にも耐えることができます。また、温和な性格で他の魚との混泳にも向いている魚ですので、観賞用としてもそのまま飼育していくことができる点でもオススメです。
プラティ
プラティをオススメしたいのは、カラーバリエーションやその尾びれの形などの種類の豊富さと華やかさが理由の一つです。プラティのどの種類も体は丈夫で繁殖力も高く生命力の強い魚ですので、お好みのプラティを飼育してアクアリウムを楽しむことができる点はとっても魅力的です。
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海水におすすめのパイロットフィッシュ
次に、海水の場合にオススメのパイロットフィッシュをご紹介します。
デバスズメダイ
デバスズメダイは、海水魚の中でも比較的安価で丈夫です。また、温厚な性格ですので、他の魚との混泳もバッチリ。見た目としても、ブルーの奇麗な色味は人気が高く、ライトで照らしてもよく映える美しい魚です。体も大きくなりすぎることがないため、主役の魚を邪魔することなく水槽内を彩る魚であり、パイロットフィッシュとしての役割も担えるのですから、申し分ありません。
ハタタテハゼ
綺麗なグラデーションをしている色彩豊かなハタタテハゼは、海水魚を扱っているお店なら大体手に入る、海水魚の定番魚です。浮遊性のある魚なので、水槽内でも常にこちらを楽しませてくれる魚ですよ。臆病な性格なので、同じく大人しい海水魚との混泳に向いています。
マンジュウイシモチ
マンジュウイシモチなど、テンジクダイの仲間は丈夫で生命力も強い種類が多いためオススメです。奇抜な見た目で水槽の主役にもなってくれますよ。他の魚とは泳ぐスタイルも異なりますので、水槽の空いたスペースを上手く埋めてくれる、コストパフォーマンスの高い魚です。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
パイロットフィッシュは、アクアリウムを長期的に楽しむにあたってかなり重要な役割を担っていることを知って頂けたのではないかと思います。もちろん、パイロットフィッシュを活用して水槽内の安定した環境作りを行っていただきたいのですが、パイロットフィッシュも生き物です。せっかくなら、パイロットフィッシュ自身もそのまま長期的に飼育していきたいですよね。目的は様々かと思いますが、上手くパイロットフィッシュを活用して、今後の素敵なアクアリウムライフを少しでも長く楽しめますように。この記事が少しでも参考となりましたら幸いです。