テトラと言えば、群れを成して泳ぐ姿がなんとも鮮やかな小型の熱帯魚です。
熱帯魚についてそれほどよく知らない人の中でも、テトラは知っている、もしくは一度は見たことがあるという人は多いのではないでしょうか?
テトラはそれほどに、熱帯魚の代表格として人気があります。また、その人気の理由の一つには、初心者でも飼育がしやすいという点も挙げられます。
この記事では、そんなポピュラーな熱帯魚テトラの種類や飼育の基本、繁殖についてを解説していきます。
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目次 |
テトラの種類は? |
テトラ初心者におすすめの種類は? |
テトラの基本的な飼育方法は? |
テトラの繁殖は難しい? |
まとめ |
目次
テトラの種類は?
テトラはカラシン目カラシン科の魚として分類されています。カラシンの多くは南米が原産で、体長は4~5cmと小柄ですが、数十匹の群れで群泳させると大型魚にも負けない見応えのある魚です。
また、同じカラシンとして分類される仲間は約1600~1700種類も存在すると言われています。カラシンの仲間はかなり幅広いので、これもテトラの仲間なの?と意外性のある魚も仲間だったりします。
ここでは、テトラの仲間であるカラシンの種類について、小型・中型・大型とサイズに分けて解説していきます。
小型
テトラの小型種は、体長約4~5cmの最もポピュラーなネオンテトラ、カージナルテトラをはじめ、ゴールデンテトラ、エンペラーテトラ、グラスハチェット、マジナータス・ペンシル、インパクティスケリーなどが当てはまります。
小型サイズのカラシンは、基本的には数十匹以上の複数飼育にピッタリです。サイズや見た目に多少の変化は伴いますが、カラーバリエーションが豊富で様々なテトラが楽しめることも魅力のひとつです。
中型
中型は体長約6~15cmまで成長するカラシンをここに分類してみました。キロダス、アレステス、コンゴテトラ、トラコカラックスなどがここに当てはまります。
小型のカラシンよりも少し体が大きいため、数匹だけでも存在感があります。
大型
カラシンには約20~50cmまで成長するピラニアのような大型魚も存在し、実は、狂暴なイメージが強いピラニアもカラシンの仲間です。他にもカラープロキロダス、ショートノーズクラウン、ピンクテールカラシン、タイガーフィッシュ・ビッタータが当てはまります。
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テトラ初心者におすすめの種類は?
基本は小型のテトラをオススメします。入手しやすい価格帯で、飼育難易度が高くなく、他の魚とも混泳しやすいテトラは、熱帯魚初心者でも飼いやすいですよ。その中でも特に、見た目も美しく、丈夫で、初心者でも飼育しやすいオススメの種類を紹介します。
ネオンテトラ
体の青と赤のラインが美しく輝く、テトラの中でももっとも有名で人気のある種類です。日本では流通量が多いので、価格帯も10匹で300円ほどとかなり手頃です。水槽の中をくまなく泳ぎ、そこそこ群れを成して泳いでくれるため、観賞用熱帯魚にとても適しています。
カージナルテトラ
カージナルテトラは、ネオンテトラと同じくらい人気のあるテトラです。見た目はネオンテトラとそっくりですが、体の赤い部分がカージナルテトラの方が長く、全体的に色も濃くなっています。より発色が強く存在感があるのがカージナルテトラの特徴です。
グリーンネオテトラ
グリーンネオンテトラは目の位置から尾びれの先まで光り輝く青いラインが入っているのが特徴です。赤いラインの色味が少ないのでほとんど一色に見えますが、綺麗に輝く体が美しい、オススメのテトラです。
ブラックファントムテトラ
小型魚の中でも見た目が大きく異なるのがこのブラックファントムテトラです。黒い体に長く大きく伸びた背びれと尻びれ、メタリックのラインがとてもかっこよく、こちらのテトラも密かに人気を集めています。少し変わり種でいきたい、可愛いより少しシックな水槽にしたい方にオススメです。
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テトラの基本的な飼育方法は?
テトラは雑食性で基本は何でも食べてくれますが、体が小さいため、餌のサイズには注意が必要になります。寿命は大体3~4年と、こんなに小型なのに比較的長く生きてくれますよ。できるだけ長生きしてもらうためにも、基本的な飼育をしっかり丁寧に行いましょう。
ここでは、テトラの基本的な飼育方法についてを説明していきます。
テトラに向いている水温と水質
水質は中性~弱酸性、水温は約23℃~28℃が適切です。水質は、弱酸性の軟水を維持すると赤色の発色を引き出しやすいです。
餌
テトラは体も口も小さいため、口に入る小型魚用の小さい粒の餌を選んでください。基本的には、テトラなどの小型魚用の人工餌を与えるようにしましょう。
また、テトラは環境の変化やストレス、餌により体色が変化すると言われています。餌は色素物質の1つである「アスタキサンチン」が多く含まれている物を与えると、体の奇麗な発色が出ます。ただし、こればかりを与えると栄養が偏ってしまいますので、あげすぎには注意しましょう。
口に入るサイズであれば生き餌を与えることも可能ですよ。
水流
テトラはもともと野生では水流の強い場所には生息していないので、強い水流は苦手です。そのため、速い流れが水槽内に発生しないように、フィルターやエアーポンプの配置には注意が必要です。フィルターの排水が問題になるようでしたら、排水口に「フローパイプ」を取り付けると、流れを穏やかにできますよ。
混泳
基本的に温和な性格なので混泳に向いている魚としても有名です。注意点としては、テトラが口に入ってしまうほどの大きさの魚は食べられてしまう危険性があるので同じ水槽に入れないようにしましょう。また、テトラは弱酸性の水質を好みますので、弱アルカリ性の水質を好む魚との相性はあまりよくありません。
プリステラやラミーノーズテトラなどの温厚な小型魚とは相性がとても良く、遊泳層が重ならないコリドラスや小型のプレコなどともよく混泳されることが多いのでおススメです。
水草
テトラは水草との相性も良く、水槽インテリアが楽しめる熱帯魚です。水草レイアウトでテトラの美しさをより引き出し、水槽内をより幻想的にすることができますよ。オススメの水草は、エイクホルニアやミリオフィラム、エキノドルスなど存在感のあるものがいいですよ。
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テトラの繁殖は難しい?
手頃で丈夫、綺麗な発色で混泳もでき、飼育もしやすいという言うことなしのテトラですが、水槽内での繁殖は、同じ小型の熱帯魚の中でも少し難しいとされています。
テトラの繁殖はなぜ難しいのか、繁殖させたい場合の繁殖方法についてを解説していきます。
テトラの繁殖が難しいと言われている理由
①稚魚の体が小さい
テトラは成長しても体長約5cmとかなり小さな小型魚です。そのため、稚魚はさらに体が小さく、餌も稚魚が食べられるサイズのものでないと食べられないので、満足に栄養が取れず死んでしまうことも珍しくありません。また、親のテトラが稚魚を食べてしまうこともよくあるので、産卵が終わったら親と隔離させる必要があります。
②水温・水質の変化により繁殖をする
野生のテトラの繁殖時期はアマゾン河が雨季で大量の水が流れ込んできて、水温と水質に大きく変化した時です。そのため、水温と水質の変化に反応して繁殖を行う性質があります。しかし、熱帯魚飼育では水温と水質は常に一定にされているため、そのまま自然に繁殖することはまずありません。
では、繁殖させるために水温と水質に変化を与えようとすると、小さい体に大きな負担をかけてしまうことになりますので、このバランスが難しく、死亡させてしまったり弱らせてしまったりするリスクが伴うのです。
テトラの繁殖方法
①親にたっぷり餌を与えて成熟させる
まずはできるだけ親を健康に丈夫に育てましょう。栄養素の高いブラインシュリンプや冷凍赤虫を与えて若いうちからしっかり育成をしていきます。
②水替えによって水温と水質の変化を作る
普段の水槽の水温と水質はアマゾンに近い環境で、水温は約26度、水質は弱酸性を維持するようにしましょう。テトラが成熟してきたタイミングで、水替えを行います。一気に水温を15度まで落として二週間ほど飼育して様子を見ます。その後、水槽内の約半分の水の水替えを行い、水温を24度まで上昇させます。
③メスのお腹がパンパンになったら妊娠した証拠
水温と水質の変化を作ってあげた後、しばらく様子を見ているとオスがメスを追いかけまわす行動が見られるようになります。ペアができると寄り添って泳ぐように。
その後、メスが妊娠をするとお腹がパンパンになってくるためそこから判断をすることができます。メスは産卵が近づくと、水底でじっとしていたり急に泳ぎだしては急停止したりと落ち着きがなくなってきます。
産卵が終わったら、卵が捕食されないようにすぐに親テトラと隔離するようにした下さい。卵は産卵されてから2~3日後に孵化します。水質の悪化を防ぐためにも、水替えは普段よりもこまめに少しずつ行うようにしてくださいね。
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まとめ
いかがでしたでしょうか?
テトラは、手頃さ・美しさ・温和・飼育のしやすさ・混泳向き、全てにおいてパーフェクトなスターフィッシュです。だからこそ、特にアクアリウム初心者には最もオススメしたい熱帯魚です。
また、テトラの属するカラシンは非常に多くの種類が存在し、同じテトラでもカラーバリエーションや見た目も様々な点も魅力的ですよね。唯一、繁殖は難しいという弱点を持っていますが、繁殖自体も全くできないということはありません。慣れてきたらぜひテトラの繁殖にもチャレンジしてみて下さいね。