ブラックゴーストという熱帯魚をご存知ですか?
魚らしからぬ特徴的な魚で、水槽内をゆらゆら漂い…果てには水底に横になって眠りもします。
ショップでは「この魚死んでますよ」という報告が絶えません(笑)
そんなユーモラスな魚「ブラックゴースト」の実情に迫っていきましょう!
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<目次>
電気を出す魚!?ブラックゴーストの特徴 |
ブラックゴーストの飼育方法と餌・最大サイズは? |
ブラックゴーストって混泳はできるの? |
ブラックゴーストの繁殖について |
まとめ |
目次
電気を出す魚!?ブラックゴーストの特徴
ブラックゴーストは南米原産で、デンキウナギ目に属します。全身黒色で口吻や尾部に白色が入ります。
そのゆらゆらとした動きから、原住民には死者の蘇りと忌み嫌う部族もあるそうです。
デンキウナギ・ナマズやモルミルスの仲間(エレファントノーズフィッシュ)と同じ電気を使う魚として知られています。
ただその強さはデンキウナギやデンキナマズとは全く異なります。人体に感知できないほどの微弱な電流をソナーのように使い、餌や障害物を避けることに費やします。
というのも目がかなり退化しており、完全な夜行性なんですよね。
嗅覚も強く、餌に対しては非常に貪欲です。
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ブラックゴーストの飼育方法と餌・最大サイズは?
飼育魚全般に言えますが水槽内では自然界のように巨大化することは稀です。
飼育下平均は20cmほど、最大サイズは30cmを超すことはほぼありません。ただ野性下では50cmほどの個体も確認されています。そこまで育つ可能性はかなりレアですが、念頭には留めて下さい。
最終的には60cm水槽以上のスペースが必要です。
一般に販売されている個体はほぼ7〜10cmほどの若魚サイズです。
餌は人工飼料を問題なく食べます。ただ気まぐれな部分が多い魚です。元来肉食魚なので、そういった場合は冷凍アカムシやイトメなど匂いの強い餌を与えましょう。
野生下での寿命は10年ほどと言われていますが、飼育下では概ね約5年です。
適温は23〜30℃と順応性があり、水質は中性〜弱酸性を好みます。
そのノンビリとした外見とは裏腹に水質にはかなり敏感で、水換えを怠るとすぐ落ちてしまいます。水は常に綺麗に保ってあげましょう。
また皮膚疾患、特に白点病にかかりやすいので、出来るだけ高温の環境がベストです。
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ブラックゴーストって混泳はできるの?
混泳に関してはかなり難しいです。
というのも彼らは完全な夜行性であり、必然と混泳魚も夜行性に絞る必要があります。
そして同じ夜行性の魚でも活発に動く魚は避けて下さい。
電流レーダーに頼っているブラックゴーストは、余りに同居魚が多く動き回られると非常にストレスを感じてしまうからです。
また同種同士も電流の混線が起こり、ストレスどころかお互いに闘争を始めます。
先に挙げたエレファントノーズの様なモルミルスの仲間も微弱な電流を発するので同居は不可能です。
大人しい魚を入れればいいのでは?と思いますが、今度は逆にブラックゴーストがヒレなどを齧り、収拾がつかなくなります。
同居できる可能性がある魚は「ナマズの仲間」でしょう。
プレコやコリドラス等、攻撃性を持たない種類が適しています。
シェルターや流木などを多用し、なるべく同居魚と出合わない様にします。その個体数も少なめに留めておいた方が無難です。
そして当魚の悪癖として他魚のヒレを齧るという性質が挙げられます。
性格の如何に関わらず、ヒレの長い魚は混泳に待ったをかけましょう。
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ブラックゴーストの繁殖について
繁殖に関してはかなりの高難易度です。そして情報が国内ではほぼ皆無です。今まで筆者が集めた情報や数少ない事例からご紹介します。
まず、外観から雌雄は見分けがつきません。そのため20〜30cmの成魚を複数匹用意します。
同種間の争いはその大きさも相まり苛烈なものになるので、可能な限り巨大な水槽…90cm水槽、出来れば120cm以上が理想的です。
性成熟・繁殖に至るまでも争いを続けるので、水草やシェルター・土管・流木などをふんだんに使い、接触を可能な限り避ける環境づくりに努めて下さい。
上手く行くとお互いが絡み合う繁殖行動が観られます。その後メスはシェルターなどの物陰に粘着質の卵を産みつけます。
見つけ次第隔離し十分なエアレーションと無精卵の除去をしましょう。
無事孵化したらアルテミアやミジンコ等を与えます。その後は順調に育ってくれるでしょう。
ブラックゴーストについては東南アジアからコンスタントに安価な幼魚が輸入されていることから、繁殖方法は確立しているはずです。
国内では繁殖目的の広大なスペースが取りにくい面がネックとなっているのではないでしょうか?
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まとめ
単独飼育推奨の魚ですが、既成概念を取っ払うほど奇妙な行動を見せてくれて、飽きのこない魚種です。
ぜひ長期飼育、最終的には繁殖も視野に入れて育ててみて下さい。