ブラジル・ペルーなど南米大陸に生息する大型カラシンをご存知ですか?
総じて和名がつかず学名で扱われている魚は、かなりの珍種となります。輸入や流通が少なく、余りお目にかかれないんですね。今回ご紹介する”リシオダスミクロレピス”も同様です。
ただ最近はちらほらですが以前に比べ見かける様になりました。
まだまだ飼育方法が不十分と言われる当魚。その”リシオダスミクロレピス”についてお話しします。
スポンサードリンク
目次
<目次>
リシオダスミクロレピスとは? |
リシオダスミクロレピスの飼育方法 |
リシオダスミクロレピスは混泳可能? |
リシオダスミクロレピスの繁殖について |
まとめ |
リシオダスミクロレピスとは?
ブラジルのパラ州・アマゾナス州、及びペルーに生息する魚です。カラシン目アノストムス上科アノストムス科に属する魚です。全長は30cmを超える事もあります。長さだけ見れば本科の最大魚とも言えるでしょう。
体色もかなり地味な部類に入り、これと言った特徴的な模様もありません。茶褐色・薄茶の単色や、黒のラインやスポットが不規則に入るケースなど外観にはバラつきが見えます。
性格は非常におとなしく、攻撃を受けやすい面があります。
その食性もかなり複雑です。草食傾向が強く、それに加え「デタリトス」食性を持ちます。デタリトスとは他魚やバクテリア・水生生物の死骸、そして排泄物などを主成分とする有機物の塊、つまりは底生性の「有機物コロニー」の様なものです。
泳ぐ際や休息している最中でも、やや頭部を下にし斜めの体制を取り続けます。
流通自体が少ない上に、飼育魚としての歴史もかなり浅い魚です。専門店のWebサイトなどで通販可能ですが、この手の魚のアクシデントはまったく予想がつきません。出来れば対面形式で販売・購入し、ショップと後々の飼育相談ができる形が望ましいでしょう。
現地の採取業者の認識も曖昧なので、もしかしたら同族種の混じりがあるかも知れません。
スポンサードリンク
リシオダスミクロレピスの飼育方法
まず最大全長が30cm、話を聞くと40cmと言う説もあるので飼育には90cm規格水槽が最低ラインとなります。
その食性から、水草を植えるのは避けましょう。仮に同カラシン目の仲間メチニスに似た様な草食性であれば、あっという間に食い尽くされてしまいます。
自然下では難解な食形態を持ちますが、飼育下ではカラシンの仲間らしく冷凍アカムシなどの冷凍餌やフレークフードなどの様々な人工餌に餌付きます。
草食傾向が強いので、同じ巨大草食魚であるプレコの餌や、草食魚用フードも併用して下さい。茹でたほうれん草やきゅうりなども、もしかしたら食べてくれるかも知れません。糸上の苔も食べ、クリーニングフィッシュの役割もこなしてくれます。
生息域から明確ですが水質は中性〜弱酸性、水温はほぼ一般値である27℃が適しています。また隠れ家があれば落ち着くので大き目の流木を入れると、弱酸性も維持できるので一石二鳥です。
スポンサードリンク
リシオダスミクロレピスは混泳可能?
同種間の混泳は全く問題ありません。また極めて大人しい魚なので、他魚からの攻撃さえ気をつければそちらも可能です。
あまりいじめられすぎない様、流木などでうまいこと逃げ場や隠れ家を作ってあげてください。
底でジーッとしていることが多いので、30〜40cm前後の表層魚と相性が良さそうです。
スポンサードリンク
リシオダスミクロレピスの繁殖について
海外、特にブラジルでよく研究・観察されており、野生下の繁殖報告が主です。
残念ながら飼育下の繁殖例は見当たりませんでしたが、それらのレポートからある程度推測することができました。
まず野生においてですが、主に止水、特に浮草や水草が繁茂するエリアでの繁殖例が現地学者の論文から報告されています。
残念ながら、卵の形状や繁殖形態は共に未だ不明です。
流通量が少なく個人宅ではほぼ不可能と言わざるを得ません。
スポンサードリンク
まとめ
最後に少しネガティブなレポートになってしまいました。
まずはその食性や生態を洗い出し、地道な研究・観察がこの魚には必要です。
運良く手に入れられた方は、その生態をよく観察され、ご報告されることをお待ちしています。