シリキルリスズメダイはどこのショップでも取り扱われている人気海水魚です。
その名の通り尾ビレ(尻ビレ)が黄色みがかり、体色はコバルトブルーと言ういかにも南方海水魚らしい外見の人気種です。
ただその飼育には事前知識が必要です。
ここではこの人気種を上手く育てる方法を解説していきたいと思います。
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目次
<目次>
シリキルリスズメダイとは? |
シリキルリスズメダイの黒くなる理由とその飼育方法について |
シリキルリスズメダイのカクレクマノミも加味した混泳方法について |
シリキルリスズメダイの繁殖方法 |
まとめ |
シリキルリスズメダイとは?
漢字で書くと「尻黄瑠璃雀鯛」です。何だか当て字の様ですが特徴を的確に捉えていますね。
最大のチャーミングポイントはその尾ビレでしょう。瑠璃色の体色に黄色のアクセントの美しさは見事の一言です。
浅いサンゴ礁に広く分布し、国内では本州以南で確認されています。
全長は最大6cmほどの小型海水魚です。メスの方が一回り小さいのも特徴的です。
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シリキルリスズメダイの黒くなる理由とその飼育方法について
主に黒くなるケースは3パターンあります。
①警戒モード突入時
②シリキリルスズメダイ特有の色素砲
③日焼け
個々に説明していきます。
①警戒モード突入時
魚類全般がそうですが強いストレスを受けると黒くなります。
不意に水槽が揺れたり、メンテナンス時の飼育者の手、そして他魚からのいじめ等様々な要因が挙げられます。
基本的には逃げの保護色に近いものです。黒くなり自分の存在を消す。魚の生存戦略ですよね。
ただ余りにも頻繁に黒くなる様でしたら、常時ストレス下に置かれています。
速やかにストレス要因を探してあげて下さい。
②シリキリルスズメダイ特有の色素胞
シリキリルスズメダイを始めスズメダイの仲間は鮮やかな体色を持ちます。
それは体表細胞内に光を反射する「色素胞」を持つからなんです。
夜間はもちろんですが、十分な光がなければ黒ずみます。このケースは特に心配はいりません。
③日焼け
今はLEDライトに変わりましたが、一昔前はメタハラこと“メタルハイドライト”という照明器具が海水魚に使われていました。
暖海に生息する熱帯性海水魚です。当然一日の日照時間も長く強くなります。
魚も表皮を守るため、皮膚内のメラニンが黒化します。人の日焼けと同じという訳です。
次に飼育方法について説明します。
小型魚なので45cm水槽…場合によっては小型インテリア水槽でも飼育可能です。ただ自然界ではサンゴ礁などの隙間が主な生息域です。そのためレイアウトは複雑に入り組んだものにします。
水温は23〜28℃を保ちましょう。餌も人工飼料を積極的に食べてくれます。
その上強健な種類ですので、フィルターや水換えも常識的な範囲で全く構いません。
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シリキリルスズメダイのカクレクマノミの混泳方法は?
この種は成長するにつれ、縄張り意識が強くなり気が荒くなります。
複雑なレイアウトを組むことで逃げ場が作れますが、余りに狭い水槽だと同種他種問わず他魚を死ぬまで追い詰めてしまいます。
特にカクレクマノミとは相性の悪さが有名です。
カクレクマノミの方が大きくなりますが、基本シリキルリスズメダイの方が気性が強く負けてしまいます。
特に「カクレクマノミと大きさも色合いも合う」…そんな理由で初心者は混泳させてしまいがちです。
最悪カクレクマノミが死んでしまうほど追いつめられます。飼育経験の浅い内はこの2種の混泳は避けて下さい。
どうしても混泳させたい!そんな時の解決法は30cmほどの温和な巨大魚を1匹同居させ、その魚に水槽全体を威圧させてみましょう。
若しくはテリトリー意識を感じる余地がないほどの過密飼育をすることです。
更に共生魚であるクマノミはイソギンチャクを投入することでその身を守ってもらえます。
その上で上記の混泳方法と組み合わせれば、上手くいく可能性も上がるでしょう。
ただ個々人の飼育環境に強く依存しますので、無理にスズメダイとの混泳には拘らないようにしましょう。
他に相性の良い魚はたくさんいます。魚にとって安全な飼育に舵取りをして下さい。
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シリキリルスズメダイの繁殖方法
繁殖の難易度は「普通」といったところです。
シリキルリスズメダイは互いに相性の良いペアを作ります。オスはライブロックなど産卵床付近の砂を巻き上げてくぼ巣を作ります。
その後メスはくぼ巣上のライブロックなどに卵を規則正しく産みつけます。
卵はオスがその孵化まで無精卵を食べたり、口やヒレで綺麗な水流を送るなど甲斐甲斐しく世話をします。
雌雄差は体長差で判別できます。ただ思い通りにペアにはなりにくいので、複数混泳でパートナー決めをしてもらいましょう。
産卵期のオスメスは普段以上に気が荒くなります。ペアが成立したら他魚は別水槽に避難させて下さい。
余りに喧嘩が続きペアリングしないようでしたら繁殖は諦めましょう。
卵は透明なので発生状況が容易に目視できます。
稚魚の孵化し、その遊泳が確認できたら慎重に別水槽に移します。稚魚は極めて小さく隔離ケースなどはすり抜けてしまうからです。
その後の初期餌がまた一苦労です。基本生き餌がベストです。最近はかなり便利なことにECサイト等の通販でワムシを購入できます。これを主軸に卵の黄身や冷凍コペポーダをバランス良く与えましょう。
透明な稚魚に青みがかかれば安定期です。アルテミアなども与え栄養確保に努めましょう。
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まとめ
安価な魚でパイロットフィッシュなどに使われがちな当種ですが、単体で見るとかなりの魅力があります。
海水魚飼育をためらっている方は思い切って飼育してみてはいかがでしょう?