チャイナバタフライプレコはその名の通り、中国に生息するバタフライプレコの仲間です。その体長はかなり小柄であり、岩肌や水槽壁面にくっつきコケを食べる姿はかなりユーモラスです。
安価な割に飼育が難しい難関種と言われていますが、しっかりとポイントを抑え、手間や労力を惜しまなければ、問題なく長期飼育も可能でしょう。
今回は中国原産の奇妙な魚「チャイナバタフライプレコ」についてご説明していきます。
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<目次>
チャイナバタフライプレコとは |
チャイナバタフライプレコの飼育方法や餌と水温について |
チャイナバタフライプレコの混泳やおすすめのやり方 |
チャイナバタフライプレコの繁殖のやり方 |
まとめ |
目次
チャイナバタフライプレコとは
チャイナバタフライプレコはコイ目タニノボリ科の魚であり、この様な見た目ですが列記としたコイの仲間です。
現地では、流れが早く冷たい清流が流れる渓谷や浅瀬が主な住処であり、もちろん飼育下でもこの環境を再現しなければ長期飼育には繋がりません。
一応「熱帯魚」と呼ばれますが「温帯魚」と読んだ方が正しく、その扁平状の身体でピッタリと張りつくのは河川の流れに適合した進化と言われています。
最大全長は約6cmほどですが、長期飼育が難しいので、そこまで立派に育つ個体は滅多に見ません。
平均全長は約3〜5cmほどでしょう。
体色はやや地味で乳白色・薄茶の体表に、黒いスポットが細かく点在しています。
原産国中国にはチャイナバタフライプレコに似た種が20種類以上生息しているとされ、これらを一緒くたにし、チャイナバタフライプレコとして国内に輸入されます。
そのため時には珍種が混じることもあり、ショップでの混じり抜きなど、様々な点で飼育者を楽しませてくれる魚種となります。
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チャイナバタフライプレコの飼育方法や餌と水温について
チャイナバタフライプレコを飼育する際に最大限気をつけることが、表題の「餌」と「水温」です。
一般的な熱帯魚は27〜30℃の水温で飼育可能ですが、チャイナバタフライプレコは元々の生息地が温帯域なので、20〜25℃の水温をキープしなければなりません。
特に夏場の暑さ対策をしないと、高水温で呆気なく死んでしまうので「冷却用ファン」や「エアレーション」は必需品となります。
それでも25℃を上回る地域にお住まいの方は、かなり高価ですが「水槽用クーラー」を用いる必要があります。
また、澄んだ清流に住む魚なので、水換えは1週間に1/3以上を確実に行ってください。
そして多くのバタフライプレコ飼育者の頭を悩ませるのが「餌の確保」です。
ネット上などでは“沈下性の人工飼料によく餌付く”という声もありますが、基本的によほど慣れた個体でない限り、人工飼料には見向きもしません。
冷凍アカムシなどの動物食も行うのですが、食性はほぼ完全な草食魚です。常食には向きません。
そのため、個体にダメージを与えない様な角の少ない丸い岩や流木などを用意し、水を浸したバケツ等に入れ、日光に当てコケや藻を発生させる必要があります。
代替食として「茹でたほうれん草」なども使えますが、常食にすると栄養が偏り長生きさせるのが極めて難しくなります。
チャイナバタフライプレコの餌は、この様にかなりの手間がかかるので、迎え入れる前にコケや藻を十分活着させた石・流木をストックしておいてください。
慣れるまでかなり臆病な魚なので、流木や石などを使い複雑なレイアウトを組んであげましょう。
注意点として「脱走の名人」そして「隙間に挟まり死亡する」という事故があります。
その平たい体型を生かし、思わぬ隙間からも容易に脱走するので、蓋だけでなく外界に続く穴はスポンジなどで全て埋めてしまいましょう。
隙間に挟まり餓死するという、やや間抜けな面もあるので、日々の頭数確認をして下さい。
成長はかなり遅く、寿命は3年ほどの魚です。
高い溶存酸素を好むので、エーハイムなどのパワーフィルターは不向きです。エアーポンプに接続するタイプか、上部フィルター等を複数使用することをお勧めします。
水槽のサイズは45〜60cm規格水槽が適しています。もちろん大きければ大きいに越したことはありません。
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チャイナバタフライプレコの混泳やおすすめのやり方
チャイナバタフライプレコはやや縄張り意識が強い面がありますが、基本的には温厚な魚です。
同サイズの同種・別種などとは容易に混泳できるでしょう。
ただし少し神経質な魚なので、混泳させる魚の数を抑えるか、入り組んだシェルターを増やし隠れ家を多く作ってあげてください。
おすすめの混泳魚は生活圏が重ならない魚種でしょう。
コリドラスなどの底生魚や小型プレコなどは、稀に小競り合いを起こすことがあります。そのため適切な隠れ家等を用意できない場合は避けた方が無難です。
中層・表層魚とはかなり相性が良い魚です。
ただエンゼルフィッシュなどシクリッドの仲間は、縄張り意識が強くチャイナバタフライプレコにちょっかいをかけるので避けて下さい。
カラシンの仲間…例えばネオンテトラ・カージナルテトラ、熱帯性メダカのグッピーやアフリカンランプアイなどの小型中層魚は、平和主義者なので相性が適しています。グラミーの仲間なども混泳魚にちょっかいを出さないので良いタンクメイトになります。
ただ、チャイナバタフライプレコは渓流・急流魚なので、その飼育は「単独飼育」が最も望ましいでしょう。
チャイナバタフライプレコの飼育にある程度慣れた時点で、混泳にチャレンジすることを個人的にはお勧めします。
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チャイナバタフライプレコの繁殖のやり方
繁殖は実に不明瞭な点が多い魚です。
コリドラスなどのナマズに見られる「T字スタイル」が求愛行動・繁殖行動とされますが、そこまで持ち込むには「単独飼育」「生息地に近い環境」で長期間飼い込まなければいけません。
繁殖水槽は45cm程度の水槽で良いのですが、以下の環境を忠実に再現してみましょう。
- 投げ込み式フィルター等にディフューザーをつけ急流を再現する
- 扁平で滑らかな石を多数用意し、産卵床・個体ごとの縄張りを確保する
- やや酸性よりの水質を維持する
- 22〜23℃の水温維持
現地では春先に産卵行動が見られるという情報があり、夏場の最高水温より若干低めに設定します。
扁平で滑らかな岩を組み合わせることにより、その隙間が繁殖時の縄張り、そして産卵床になります。
水質や急流は現地の再現に他なりません。
元々専門誌でも水槽内での産卵報告が一例しかなく、その一例も目を通したところ“たまたま産卵”したに過ぎません。
上手くいけばメスが岩肌に無数の卵を産みつけ保護しますが、稚魚が小さい上に生息地でしか取れない栄養があるのか?自然発生したコケなどでは育てにくいことも判明しています。
植物プランクトンのインフゾリアや、市販のクロレラなど、高栄養価の餌を用意すればもしかしたら?稚魚育成に効果的かもしれません。
今のところ安定した繁殖スタイルが確立していないので、チャイナバタフライプレコを増やしたい飼育者は、かなりの試行錯誤を要するでしょう。
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まとめ
今回は中国原産の奇魚「チャイナバタフライプレコ」について取り上げてみました。
数百円ほどの安価の魚ですが、値段に反比例しかなりの飼育難易度です。
ただし、マメな世話や知識の収集を怠らなければ、長期飼育は可能です。
飼育者の腕が試される魚です。ぜひ一度チャイナバタフライプレコの飼育にチャレンジしてみて下さい。