カラシン科の仲間の熱帯魚「テトラ」と言えば、アクアリウムに疎い人でも一度は耳にした事がある程です。
ネオンテトラに代表されるよう煌びやかな魚が多いこの個体群、今回はその中でも非常にユーモラスな泳ぎで有名な「ペンギンテトラ」を取り上げてみました。
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<目次>
ペンギンテトラの気性 |
ペンギンテトラの飼育方法 |
ペンギンテトラの混泳について |
ペンギンテトラの繁殖方法 |
まとめ |
目次
ペンギンテトラの気性
ペンギンテトラは「く」の字に曲がった黒いラインと、頭部を持ち上げホップする泳ぎ方が実に愛らしい人気種です。
一見人畜無害に見えるこのテトラですが、実は非常に気性が荒いんです。
同種間ではほぼ争いません。ですが10匹単位の群れとなり、十分なスペースがある環境になると途端にテリトリーを猛烈に主張します。
多くの魚群は追い払い行為のみですが、ペンギンテトラは時に相手を執拗に追い回し、死に追いやるまでテリトリー主張をするのです。
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ペンギンテトラの飼育方法
まずテトラ全般に言えますが「群れ」単位での飼育が必要です。
強気に見えても個々になると途端にか弱い魚種となります。また群れで暮らす習性が根強く残っており少数飼育をすると、かなりのストレスを感じてしまうんです。
また鑑賞の面から見ても群れを成した姿の方が非常に水槽映えします。頭部を持ち上げホップする独特の泳ぎと、その特徴的な黒いラインは群れが大きくなるほど圧巻的になります。
ペンギンテトラはテトラ種としては大型で6〜8cmほどになります。大型種としての頑健さを持つ上、水温や水質はごく一般的で、27〜28℃、弱酸性〜中性と容易に飼育ができます。
注意すべきはその食性でしょう。
やや草食よりの雑食性で、柔らかい水草や新芽を齧ってしまう事があります。
その為水草を植える場合には、こまめに餌をあげる必要があります。
餌は一般的なフレークフードやテトラ専門フードなど好き嫌いなく食べ、手がかかりません。
飼いたい数によりますが10匹単位の群れならば、40cm水槽で全く問題ありません。
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ペンギンテトラの混泳について
この種の一番厄介なところです。ペンギンテトラはその気性の荒さゆえ、群れ単位の単種飼育を強くお勧めします。
どうしても混泳させたいのであれば、まずエンゼルフィッシュのように長いヒレを持つ魚はNGです。
齧り尽くされボロボロにされてしまいます。
自己責任を前提にお話ししますが、生活圏が重ならず、目立たない魚なら…もしかすると混泳可能かも知れません。
思いつくのは底面魚でしょう。また夜行性の魚も昼間は陰性が強いので適しているのかも知れません。
砂の中に潜る魚や鱗が固い魚も思い浮かびます。
ただやはりベストは単独飼育です。必ず混泳が上手くいく!という魚はおそらく存在しないでしょう。
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ペンギンテトラの繁殖方法
繁殖はかなりの難易度になります。
ただ正しい手間と時間、そして熱意があれば不可能ではありません。
まずペンギンテトラはバラマキ式の沈性卵を産みます。そのため観賞用水槽は産卵には適しません。
最初に雌雄の選び分けを行います。
十分性成熟し繁殖体制に入るとメスの腹部は抱卵のため肥大化し、容易に区別がつきます。
次に産卵・稚魚育成用の水槽を立ち上げます。園芸用のピートモス(必ず不要な添加物が混入してないか確認して下さいください)を入れ水質を弱酸性に傾けます。
故郷の水は「ブラックウォーター」と呼ばれ、熱帯雨林の堆積物から抽出された天然の葉茶の様なものです。細菌を寄せ付けない特徴を持ちます。ピートモスに加え市販のブラックウォーター溶液を使いそれに近付けるとより良いでしょう。
水温は若干高めの27℃ほどに保ち、生き物不在のままエアレーションをし一週間ほどその環境を回します。これで繁殖水槽は完成です。
後はその水槽内にオスメスの比率をオス複数匹;メス1匹にし生体投入します。
ここまで環境が整えば産卵スイッチは「明暗反応」のみです。なるべく薄暗い環境を保ち続けて下さい。上手くいけばバラ撒かれた受精卵がピートモスの隙間に点々としているはずです。
確認後2〜3℃水温を上げて下さい。順調に稚魚が孵化するはずです。
そして次の難関が極小サイズの稚魚飼育!これに尽きます。
稚魚のサイズは実に小さくブラインシュリンプは食べれません。
まず田んぼの水や水槽水でも構いません。タネ水を用意しキャベツなどの葉野菜を浮かべ日光に当て続けて下さい。
注意深く観察すると野菜表面にポツポツと緑がかった褐色の塊が発生します。
これは「インフゾリア」と言い、極小プランクトンのコロニーです。それをスポイト等で稚魚に給餌できればほぼ繁殖は成功です。
一週間待てばブラインシュリンプや稚魚用人工飼料も食べれるサイズに育ちます。その後は注意深く成長を見守るだけです。
この「インフゾリア」がベテラン・マニアでも成功率の低い超高難易度なんです。
インフゾリアがどうしてもダメなら代替で「黄卵」つまり「ゆで卵の黄身」が第二候補となります。
この場合は生存率が著しく低下することを覚悟して下さい。
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まとめ
やはりテトラは一筋縄ではいきませんね。入門種と言われ続け一癖も二癖もあるのはほぼテトラ全般に言えます。
ただ「どうしてもテトラじゃなきゃダメ」という飼育者は圧倒的にいます。それだけ奥深い魚なんですね。