今回取り上げる魚は“ナノストムス・エスペイ”、あまり耳慣れしませんよね?
ですが有名な”ペンシルフィッシュ”の仲間です。
では一般的なペンシルフィッシュとはどの様な差があり、どんな生態を持つのでしょうか?
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目次
<目次>
ナノストムス・エスペイとは? |
ナノストムス・エスペイの飼育方法 |
ナノストムス・エスペイの混泳について |
ナノストムス・エスペイの繁殖について |
まとめ |
ナノストムス・エスペイとは?
学名はNannostomus espei。和名はなく学名で流通します。南米のフランス領ギアナの限られた地域に生息します。その流通量の少なさから”オリンピック・フィッシュ“というジョーク名がつくほどです。
昔は本当に3〜4年に一回ほどしか流通がなく、幻の魚でした。飼育方法・繁殖方法の確立により90年代後半から流通量は徐々に増えますが、それでも年数回の入荷にとどまります。
銀色がかった体色に5つの黒色スポットが規則的に入る美魚として、小型魚ファンのみならず熱帯魚飼育者の垂涎の的です。
体長は最大4cmほど、寿命は2〜3年になります。ペンシルフィッシュは、頭部を傾けお辞儀をする泳ぎ方を連想しがちですが、これはナノブリコン属にのみ見られます。ナノストムス属である本種は至ってノーマルな泳ぎ方です。
草食傾向が強く柔らかい糸状コケなどを食べてくれます。ただウィローモスや水草の新芽などもついばむので、水草を入れる場合はやや注意が必要となります。
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ナノストムス・エスペイの飼育方法
ペンシルフィッシュの中では温和な性格です。飼育も容易な部類に入ります。ただ痩せやすいので、きちんと餌が行き渡っているか注意して下さい。
水温・水質ともに一般的な27℃前後・弱酸性〜中性で全く問題ありません。ソイル・マジックリーフ・流木などを入れると簡単ですよ。
小型魚であり、水槽サイズも色々と融通が効きます。小型インテリア水槽・大型水槽に群生させるなど様々なシーンで飼育可能です。
フィルターを始めとした飼育機器も同様です。極端に水を汚す事はないので底面・投げ込み式・スポンジ・上部フィルター等、色々と試してみましょう。
水換えも基本は2〜3週間に1/3程度で問題ありません。ただ貴重な魚なので餌食いやヒレ・泳ぎ方などをつぶさに観察し、異常が見られたら即換水して下さい。
パッと見ると、口吻部が小さく“おちょぼ口”の様で餌に困るかな…と思いますが、市販のフレークフード等を問題なく食べます。
少し食べにくいかな?と思ったら指先ですり潰して細かくして下さい。
この様にレア種であるナノストムス・エスペイですが、飼育にはほぼ手間はかかりません。
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ナノストムス・エスペイの混泳について
サイズが同等であれば他魚との混泳は全く支障はありません。
寧ろ温和な性格ですので、攻撃を受ける側になりがちです。同じサイズでも気の荒い魚・テリトリー意識の高い魚ではNGです。
その点さえクリアすれば「混泳に向く魚」とも言えます。
同種間の群泳では多少の小競り合いはありますが、気にするほどではないでしょう。
ただ非常に手に入りにくい魚ですので、万全を記すならばやはり単種飼育…ナノストムス・エスペイのみの飼育を個人的にはお勧めしたい所です。
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ナノストムス・エスペイの繁殖について
成熟したオスは尾ビレが黒化し、最後尾のスポットが巨大化します。メスの変化はありません。
弱酸性の水質に傾けることにより性成熟・繁殖スイッチが入ります。
産卵促進効果があると言われる「マジックリーフ」や故郷の水「ブラックウォーター」を市販品で作りましょう。
またソイルを敷くと常に水質は弱酸性を保ち続けます。
上手く行くとオスメスが寄り添い始めます。メスが卵を放出した瞬間にオスが放精をします。
付着糸を持たないバラマキ型の産卵なので、フィルターに吸い込まれない様に気を付けます。底部にワラ・麻糸・ウィローモスなどの藻などを敷き詰め、卵を隔離できる環境を作って下さい。
浮草なども浮遊した卵を一時的に保護するのに有効です。
産卵した瞬間から卵は親にさえ餌になるので、その収集が第一の課題です。
産卵用水槽を別途用意するのが1番良いですね。
受精卵は2〜3日で孵化しますが、ここで第二の課題「エサ」が出てきます。稚魚が極小サイズなのでブラインシュリンプは使えません。グリーンウォーターで湧かした「インフゾリア」が良餌ですが、ごく細かな稚魚用飼料をすり鉢などでより細かくしたもの、卵の黄身が代替として有効です。
“卵の収集”と“稚魚の初期餌”がネックとなります。この2点さえ乗り越えれば、後は容易に育つでしょう。
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まとめ
いかがでしたか?レア種である“ナノストムス・エスペイ”。
手に入れることさえ困難ですが、ぜひ国内ブリーディングにも挑戦してみて下さい。