マダライモリは鮮やかな緑色に黒斑模様、背中に伸びるオレンジの線がとても美しく人気のあるイモリです。
このイモリはフランス・スペインに生息し、ヨーロッパのマニアの間で頻繁に繁殖されています。
そのような国外ブリード個体がよく国内に持ち込まれますが、国内でも環境を整えればしっかりと繁殖可能なイモリです。
日本の愛好家もブリーディングにチャレンジする方が増えています。
これから飼いたい!増やしたい!けれどもどうすればいい!?
そんな方々のために、繁殖の一連の流れと基本的な部分を説明していきます。
スポンサードリンク
目次
目次
クレストによるマダライモリの雌雄判別 |
繁殖の準備 |
繁殖の流れ・管理すること |
幼生飼育のやり方 |
まとめ |
クレストによるマダライモリの雌雄判別
マダライモリは繁殖期のみ水中生活を送ります。
この時、水生形態となります。
クレストとは水生形態になる際、背部から尾にかけてまるでヨットの帆の様に競り上がるヒレ状の器官のことを指します。
このクレストが伸長するのがオスのみなので、容易に雌雄判別が可能です。
スポンサードリンク
繁殖の準備
夏から冬にかけ外温が下がると繁殖行動を始めます。
このタイミングを見計らい、ケージを陸と水場半々のアクアテラリウムにしましょう。
性成熟した個体は気温の低下と共に入水します。
完全に入水し陸場に戻らない様であれば、完全なアクアリウムに切り替えます。
この際流木や発泡スチロールを使い自力で水中から全身を出せる場所を必ず用意します。
また水中には産卵床として水草を必ず入れます。安価なカボンバ・アナカリスがベストでしょう。
また水草は呼吸のための足場にもなります。
水生形態になったとは言え肺呼吸なので、完全に水だけにすると溺れ死ぬ危険があるからです。
スポンサードリンク
繁殖の流れ・管理すること
完全にクレストが伸長したオスは尾部をメスの鼻先で震わせます。
この際メスが性成熟していたら繁殖行動が起こります。
産卵は200個以上、一つ一つ水草に丁寧に産み付けていきます。
この一連の行動が完全に終わると、クレストは徐々に短くなり陸生に移行します。
このタイミングを逃すとマダライモリがダメージを受けてしまうので入念に観察して下さい。
園芸に使うオアシスなどをカットし、常に陸場を設けるのも得策です。
産卵行動が完全に終わると完全に陸生になるので、親は元のケージ下に戻します。
卵はゼラチン質が丈夫ですが、傷つけるのが心配ならば葉ごとカットしたり、筆などで優しく取り分けてあげましょう。
余裕がある方はプリンカップなどで個別に管理してもいいかもしれません。
その際無精卵は放っておくと直ぐ水カビがつきます。
有精卵にまでダメになるので見つけ次第すぐに取り除きます。
卵から幼生の間は溶存酸素が欠かせないので、エアレーションは必ず行います。
携帯用の酸素石などもメーカーが販売してますので、個別に飼育したい方には打って付けです。
スポンサードリンク
幼生飼育のやり方
これらが上手くいくと半月ほどで孵化が始まります。
孵化後3日ほどはヨークサックから栄養を取り、水底にジッとしています。
その後は共食いに注意します。
孵化順毎に成長に著しく差がつくからです。
自然界では共食いも必要な行為ですが、これを避けるには水草などの遮蔽物を増やすか、個別ないしは数個体のみの飼育に切り替える方法を取りましょう。
幼生は基本動くものにしか反応しません。
幼生の餌は初期がアルテミアやミジンコで、ジョジョに活イトメや冷凍赤虫に切り替えます。
外鰓は段々と縮み、最終的には喪失します。
縮み始めた段階で必ず上陸のための陸地を用意します。
陸地と水場の間には幼生が上陸しやすいように、園芸用のネットや流木などを立てかけてあげましょう。
無事に陸地に上がったらまずは生き餌から与えます。
キッチンペーパーの上をやや濡らしイトメを置いたり、コオロギの初令幼虫ssサイズなどをピンセットで根気よく与えて下さい。
そしてなるべく早めに人工飼料に切り替えましょう。
実はこの上陸後が一番の難関です。
ここを乗り切ればその後は必ず安定して育ってくれます。
スポンサードリンク
まとめ
マダライモリは一般に15〜20年の寿命があると言われています。
上陸後も成長はかなり緩やかです。
マダライモリの繁殖は卵から幼生飼育は難しくありませんが、その後の長い陸世期間が非常に手が掛かります。
生息地では野生個体の採取に規制がかかっている状況です。
なるべく人間の手でブリーディングできるようにしましょう。