飼育におすすめな水生昆虫の種類と難易度

タガメ新成虫
出典 gengo6.com 5令幼虫から脱皮直後であり神秘的な体色をしている

今回は飼育におすすめな水生昆虫を紹介します。

水生昆虫飼育はその生態がとても奇妙で、しかも格好良いフォルムや変わった生態から、各国で人気の高い分野です。

残念ながら水生昆虫の王様と呼ばれるタガメは、2020年に「種の保存法」で自然下の個体の商用目的の捕獲と販売が全面禁止になりました。商用乱獲を防ぐため仕方のないことです。

では国内では他にどんな水生昆虫が手に入るのでしょうか?

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目次

<目次>
飼育可能な水生昆虫
飼育におすすめの種類はこれ!
種類別飼育難易度
飼育方法と必要用具
まとめ

飼育可能な水生昆虫

国内の自然下には多くの水生昆虫がいます。

捕獲や飼育に視点を置くと、ほとんどの水生昆虫が事実上飼育可能です。

ですが河川・湖沼の水質汚染、農薬の使用などで急激に個体数や生息地が減りつつあります。

安易な気持ちで採取せず、採取したとしても持ち帰るのはできる限り控えるか僅かにしましょう。ショップなどで繁殖個体を購入するのが一番です。

ここでは国外・国内合わせ流通に乗っているメジャーどころの種類を紹介します。

ナンベイオオタガメ

爬虫・両生類専門店でごくごく稀に入荷があります。ゆうに10cmを超える世界最大のタガメです。

タイワンタガメ

タイワンタガメ
出典 gengo6.com 日本産に比べ臆病で水質にデリケートな面があります。 

タガメの近縁種です。外国産と思いきや国内の与那国島にも生息する日本最大のタガメです。

タイコウチ

Laccotrephes japonensis Kyoto aquarium.jpg
出典元 Wikipedia 独特な形状の前脚が名前の由来

その前脚の形が太鼓を打っているように見えることから、この名がつきました。お尻の呼吸官が2本あるのが特徴です。日本国内には4種類のタイコウチが生息します。

ゲンゴロウ

ゲンゴロウを飼育しよう!

黒色をベースに黄色の縁取りが目立つ虫です。腹部の繊毛に気泡をつけ水中を泳ぐ奇妙な呼吸方法を持ちます。

マツモムシ

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/96/Notonecta_triguttata_matumomusi.JPG
出典元 Wikipedia 陸にあげた場面。普段は水面に逆さに浮いています

水面に逆さに浮かび、落ちてくる虫の体液を吸う変わった捕食法を持ちます。

ちなみにマツモムシとタガメは口吻で人を刺しかなりの痛みです

ミズカマキリ

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/3/3e/Ranatra_chinensis.jpg
出典元 Wikipedia 

その容姿はカマキリに似ていますがカメムシ目の仲間で別種です。

コオイムシ

卵塊を背負った雄
出典元 Wikipedia 繁殖期のオス

メスがオスの背部に卵を生みつけ守る独特の繁殖形態から有名です。

ガムシ

ガムシ
出典元 Wikipedia 水生甲虫では大柄だが草食性で大人しい

全身真っ黒で水田の中など緩やかな場所を泳いでいます。完全草食性です。

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飼育におすすめの種類はこれ!

近くに水田や里山等がある方には自家採取という手があります。ですがなかなか難しい人も多いと思います。

なのでショップで入手しやすい種類を挙げてみます。

まず取り扱いの一番多い水生昆虫が「ゲンゴロウ」です。以前は「タガメ」もよく見ることができましたが、すでに説明したとおり販売は全面禁止になりました。

ゲンゴロウは繁殖を狙わなければ終生アクアリウムで飼育可能です。

餌も煮干し・クリル・刺身等、容易に市販のものに食い付きます。野生ではスカベンジャー(掃除屋)の役割があると言われ、魚などの死肉に複数が群がる姿も観察されます。

その他は何と言っても「タイコウチ」「ミズカマキリ」の2種でしょう。こちらも水場のみで飼育可能です。

生きた魚を用意する必要があると思われがちですが、ピンセットなどで根気強く与えれば、冷凍餌や刺身の切れ端などにも喰らいつきます。

ただこの2種は消化液を獲物に注入する体外消化をします。

そのため食べ残しは必ずすぐに取り除きましょう。

上記の3種はかなり変わった生体を持つので断然おすすめです!

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種類別飼育難易度

飼育難易度は以下の通りです。

かなり難しい
  • ナンベイオオタガメ
  • タイワンタガメ
  • タガメ
やや難しい
  • ゲンゴロウ
普通
  • タイコウチ
  • ミズカマキリ
  • コオイムシ
  • マツモムシ
容易
  • ガムシ

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飼育方法と必要用具

飼育環境自体はそう難しくありません。

まずケージは水漏れしなければプラケースでも水槽でも構いません。

水深は最低でも15cmくらいは取りましょう。

足場は必ず必要です。ベストは水草や流木ですが、網戸の網などを使用している飼育者もいます。

水温も室内ならば無加音で通年飼育可能です。ただしナンベイオオタガメ・タイワンタガメは水温を最低でも25℃に加温してください。

フィルターなどは原則、飼育者の好みで入れてください。

ですが昆虫の脚や触覚などは脆いですよね?吸水口などに引っかかるトラブルが起きがちです。

綺麗な水質を保つのはいいんですが、元々水生昆虫の中でエラ呼吸をするのはヤゴくらいです。

フィルターはあまりお勧めしません。水が汚れてきたら、思い切って全換水しましょう。どうしても使いたいのなら底面フィルターやスポンジフィルターなど勢いが緩やかなものにします。

逆に絶対してはいけないことは蓋をしないことです。水生とはいえやはり昆虫なので、容易に飛んで脱走します。

それと水生昆虫はほぼ肉食です。狭い水槽や過密状態ではお互いが餌の対象になります。同じ種類でも共食いをしてしまうケースもあります。

できるだけ同種のし、広く余裕のあるスペースのケージで飼うようにしましょう。

タガメほか水生昆虫水槽の理想形❗

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まとめ

近年農薬などに犯された餌を捕食することにより、水生昆虫は激減しています。

護岸工事も致命的もそれに追い討ちをかけています。

運良く出会えた方は将来的な繁殖も視野に入れ、大切に飼育してください。

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