アカネハナゴイという茜色の綺麗な海水魚がいます。ハナダイ亜科ナガハナダイ属の魚で、何と2mにもなる巨大海水魚「ハタ」と同じハタ科の魚です。
でも安心して下さい。アカネハナゴイは最大でも約10cmほどの小型魚です。
ただこの魚、ややクセがあります。飼育下でライフサイクルを全うさせるには少々コツがいるんです。
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目次
<目次>
アカネハナゴイの飼育とその難易度 |
アカネハナゴイの病気 |
アカネハナゴイの混泳 |
アカネハナゴイの繁殖方法 |
まとめ |
アカネハナゴイの飼育とその難易度
ハナゴイの仲間は飼育が難しい種が多いのですが、その中でアカネハナゴイは大人しく餌食いも良いので、ハナゴイ入門種として最適です。
ですがハナゴイということは忘れないで下さい。飼育は“やや困難”な部類です。
大人しいどころか極端に臆病な性格です。そのため痩せやすく、一旦痩せると回復させにくいので餌食いの様子はしっかり観察しましょう。
野生ではやや強い海流域に生息するので、水槽内はそれなりの対流が必要です。
餌は人工飼料、冷凍餌等選り好みしません。口に合うサイズの餌をバランス良くあげましょう。
留意すべきは水槽内レイアウトです。本来入り組んだ岩礁やサンゴ礁に生息しています。その性格もあり遮蔽物がないとストレスに晒されます。サンゴ・サンゴ岩・ライブロックを複雑に組みましょう。
南日本から東南アジア一帯に生息します。水温はそれに準じますが、対流域に生息するので若干低めの25℃が飼育に適します。夏場は要注意です。水槽用クーラーは必須となります。
水槽サイズ・フィルターについては飼育スタイルが鍵です。本種は痩せやすく頻繁な給餌が必要なので、水が汚れがちです。そのため飼育において最大限の能力を誇る「オーバーフロー式ろ過」を勧める声も多いですが、基本は巨大水槽用です。場所と費用もかかります。
それほど数を入れなければ45〜60cm水槽で、上部式ろ過を用いた飼育方法が現実的ですね。
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アカネハナゴイの病気
大変丈夫な魚です。ただ他魚や同種間のいさかいでも大げさに驚き、体表に傷がつくことがあります。
そこを細菌・ウイルスなどにつけ込まれ「白点病」「皮膚炎」に罹患することもあります。
病気と言えるか分かりませんが「栄養失調」に最も配慮します。弱い個体はどうしても餌を摂ることができずに、痩せ細り、最悪死んでしまうケースがあります。
初期の段階でストレスフリーな別水槽に移し、単独個別飼育でじっくりと回復させてあげましょう。
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アカネハナゴイの混泳
基本は単体ではなく群泳させ、その魅力が際立つ魚です。逃げ場を確保したレイアウト前提ですが、複数飼育が最も合うでしょう。
他種に関しては慎重にならざるを得ません。テリトリー意識が高かったり荒い性格の魚種は、100%アカネハナゴイが犠牲となります。我関せずのマイペースな魚や、ハゼ類などの底生魚、遊泳能力の低いエビやカニ等の甲殻類が最も適しています。
スズメダイの仲間は避けましょう。彩りは合いますが気性が荒く相当の工夫を凝らさなければ、その混泳はベテランでも不可能です。
一応生物なので記載しますが、最も適しているのが「サンゴ」です。寧ろサンゴを入れた方が落ち着きます。野生下でもサンゴ礁が主な生息域です。
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アカネハナゴイの繁殖方法
まず複数匹の集団で飼育します。何故か?と言うとアカネハナゴイはメスからオスに雌雄転換する魚なんです。
集団で飼うとハーレム状に複数のメスと1匹のオスに性転換します。反対に集団飼育しないと繁殖はできません。
雌雄判別はかなり容易です。オスに性転換すると、赤みが強くなりヒレが大きく伸長します。そしてヒレ先に青みや緑みがかかります。
反対にメスはほぼ茜色のまま変化しません。
メスの抱卵に合わせオスが放精するスタンダードな繁殖ですが、受精卵を海流に乗せるバラマキ式なので集卵にはかなりの手間がかかります。
産卵用水槽に移そうものなら、環境の変化で産卵どころではありません。
入り組んだレイアウトですので、スポイトなどを使い一つ一つ丁寧に集めましょう。
成魚が動物性プランクトン食ということもあり、孵化した稚魚にはブラインシュリンプから試してみます。食べにくそうでしたら冷凍コペポーダや卵の黄身を与えます。
予めライブロックを多数入れ回し続けた水槽を別途用意しておくと、プランクトンが自然発生します。
稚魚自体をそこに投入するのも一つの手段でしょう。
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まとめ
いかがでしたか?普段は淡水熱帯魚飼育メインの私ですが、淡水にもその生態が似通る魚種がかなり存在します。
飼育者の頑張りが顕著に現れるアカネハナゴイ。
淡水・海水関係なくこの種の魚は熱が入りますよね!