腹部と目の周辺が鮮やかな青色に色づくソメワケヤッコ。10〜15cmと小柄な上、真っ黄色のツートンカラーも水槽映えします。
ですがこの魚結構クセが大きいんですよね…
そこで、ソメワケヤッコを健康に長期飼育させるコツをピックアップしてみました。
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目次
〈目次〉
死にそうなソメワケヤッコ、その原因は? |
ソメワケヤッコの飼育とサンゴとの関係 |
ソメワケヤッコの混泳 |
ソメワケヤッコの繁殖について |
まとめ |
死にそうなソメワケヤッコ、その原因は?
最初から重いタイトルですが、ソメワケヤッコは非常に弱い魚です。
常に清潔な海水を好み、pHの下降・硝酸塩の増加(海水の水質悪化)・水換えの怠り・他魚とのストレスですぐ☆になってしまいます。
またソメワケヤッコは自然採集個体が主に流通しています。大量捕獲のため薬品で取られているという噂も耳にしたことがあります。それも一つの要因かもしれません。
ですが一番の注意事項はやはり水質です。長期飼育するには極めて神経質な、そして徹底した水質管理が求められます。
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ソメワケヤッコの飼育とサンゴとの関係
ソメワケヤッコは最大全長15cmほどに成長する中型魚です。
そのため、前述通り一様に水質が悪くならないために水量の多い水槽で飼育します。
最低ラインが60cm水槽、ベストは90cm以上です。大きければ大きいほど水質は崩れません。
またフィルターにも気を使います。最もろ過能力が高いオーバーフロー式水槽のサンプろ過が適していますが、かなりの高額になります。
60cm水槽でしたら上部式と外部式のダブルろ過を用意します。外部式一本では飼育できません。密閉性が高く溶存酸素不足になるので呆気なく死んでしまいます。
その他プロテインスキマーや投げ込み式フィルター・デュフューザーの併用も効果大ですね。
他のヤッコ類同様低水温を好みます。25℃以上は危険なので水槽用クーラーは必需品です。
またショップ店員に「小型ヤッコは丈夫」と言われがちですが、入荷したばかりの個体はかなり弱っており、いつ死んでもおかしくありません。
しばらくショップに通い状態が安定したら購入しましょう。
草食性のヤッコですが、購買店によっては人工飼料に餌付いていない事が多々あります。
そんな時は海水魚用冷凍餌のイサザアミなどから始め、アサリを切り刻んだものに移行し、徐々に人工飼料に切り替えます。
人工飼料は小型でコロコロしたものが口に合う様です。
また、サンゴとの混泳ですがこちらは完全に自己責任で行って下さい。
大前提として自然界ではサンゴポリプを食べる魚です。餌として割り切って入れるか?それともかなりマメに様子を見れて、給餌も頻繁に出来る方は一考の余地ありです。
飼育者のライフスタイルにより左右されますね。
とはいえ小型とも言えるヤッコですから、凄まじい食害は起こらないでしょう。
ですが最悪のケースでは、サンゴが死滅してしまう事もあります。十分覚悟して下さい。
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ソメワケヤッコの混泳
このヤッコも同種同士は例外なく猛烈に争います。そのため狭い水槽ではヒエラルキー(個体間順位)が決まり、弱い個体は常に怯えながら暮らすことになります。
混泳を目指すなら、ソメワケヤッコ自体は小型種ですが…90cmサイズ以上の水槽飼育が一番上手くいきます。
喧嘩が原因で死んでしまっては元も子ありません。
ただ、他種に関しては非常に寛容です。
もちろん水槽サイズに見合った個体数が原則ですが、余程のことがない限り他魚とのいざこざは見られません。
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ソメワケヤッコの繁殖について
ハーレム形式の繁殖形態を取ります。ソメワケヤッコは外観から雌雄判別はほぼできません。
そのため複数匹を90cm以上の水槽に入れる必要があります。自然界でも群れ単位の繁殖形態を取ります。
ヤッコ類は雌性先熟であり、産まれた時は全てメスです。群れで生活しその中の一番大きな個体がオスに雌雄転換します。
ここからが問題で繁殖期を見誤るとたちまち喧嘩が始まります。
上手く産卵・受精をしてもその産卵はバラマキ方式です。専門用語で「分離浮性卵」と呼びます。
相当気を配らないと呆気なくフィルターの吸水口に吸い込まれてしまいます。
運良く採取できても稚魚はあまりの小さ過ぎ、通常のアルテミア等は捕食できません。
冷凍コペポーダ等、微細なプランクトンを始め、稚魚用栄養補助飼料、そして草食性なので植物プランクトンを自力で探し出さなければいけません。
残念ながら以上の理由で市販されているものは全て天然個体というのが現状です。
個人で行うには仕事・時間・日常生活・多額の費用等、犠牲にするものが余りにも多すぎるんですね。
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まとめ
いかがでしたか?
調べれば調べるほど、隅から隅まで難解な魚です。
ただ欲を出さず一匹を丁寧に飼えば、その難しさはグンと減ります。
魅力的な魚です。飼育魚の候補に入れてみてはいかがでしょうか?