エンゼルフィッシュの飼育は簡単?大きさや温度・ 値段と注意点について 

エンゼルフィッシュは熱帯魚の代名詞ともいえる魚種であり、実際に熱帯魚に疎い方でもその姿や名前をご存知の方も多いほどです。

しかし実際に飼育するとなると気をつける点が非常に多く、一部熱帯魚紙や飼育マニュアル・サイトなどでは気軽に『入門種』と紹介されていることが多いのですが、実際は「ある程度の知識を持った」初心者が飼育するべき熱帯魚でしょう。

様々な改良品種がエンゼルマニアから無数に作出されており、どのショップやホームセンター等でも見かけることができます。

人に慣れやすく餌食いも良いので、育てやすいという点では確かに初心者に打ってつけの熱帯魚種ですが、特に将来的な大きさや同居魚や混泳・同じエンゼルフィッシュでさえ気をつけるべき注意点が多々あります。

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目次


エンゼルフィッシュとは?その特徴や寿命・種類などの紹介

本来よく見る一般的な魚とは一風変わった体型をしており、その全長は縦・横の「直径」で説明されるほどです。充分育った成魚が販売される事はあまりなく、親魚の保護から巣立ちした幼魚が販売される事がほとんどですね。

この様なサイズで販売されていることがほとんどです。


このサイズのままなら問題ないのですが、成魚は全長12~15cmほどにまで成長します。概ね成人の手の平大といった所でしょうか?

そのため小さいからと言って10匹単位で購入してしまうと、一般によく用いられる安価な60cm水槽では全く飼育しきれず90cm水槽などにサイズアップする必要が生じてしまいます。後々里親に出したり、最悪野外に放棄するくらいなら2~3匹個体の購入に留めておきましょう。

またシクリッドの仲間なので攻撃的な性格の部分があります。仮に他の熱帯魚との混泳にトライするならば、何かあった時のためにセパレーター・隔離ケース…そして別水槽を用意しておきましょう。

出典:Amazon


本来の生息地は弱酸性に傾く水質なので、導入直後はこの様なph降下剤などを用いエンゼルフィッシュに適した水質に調節しましょう。

寿命は熱帯魚としては長寿種の部類で5~7年程度と言われています。

エンゼルフィッシュの種類は日進月歩で品種改良が行われているので、世に出て飼育に関し安定した状況が確立されている種類をご紹介していきましょう。


● アルタムエンゼル

出典:Wikipedia


正真正銘アマゾン川水系に生息する原種が「アルタムエンゼル」です。アルタムエンゼルの飼育には玄人でも手こずるほどで全ての熱帯魚中でも“最難関種”と呼ばれています。価格も高価ですのでおいそれと手を出せない例外中の例外であるエンゼルフィッシュの種類となります。


● プラチナエンゼルフィッシュ

出典:Pintrest

一見すると単なるアルビノ種に見えますが、各ヒレにぼんやりと青みがかかり、白っぽいウロコも光沢を発する種類でその美しさ・飼い易さから非常に人気が高い種です。先に紹介した「アルタムエンゼル」以外はほぼ手が出しやすい種類が多いので、簡単に購入可能なのも魅力的ですね。


● レッドデビルエンゼルフィッシュ

出典:Pintrest

頭部を中心にオレンジ味がかかり、個体によっては白い斑点模様が入るエンゼルフィッシュです。なかなか赤みを局所的に発現するエンゼルフィッシュは珍しいので、一見の価値あるですね。

●ブラックエンゼルフィッシュ

出典:Pintrest

単純にアルビノの真逆、メラトニン化した個体を固定した品種となります。目の赤みが際立ちますが全身黒化した品種はこのエンゼルフィッシュのみではないでしょうか。

● ブルーダイヤモンドエンゼルフィッシュ

出典:Pintrest

パッと見るとノーマルエンゼルに見えなくもありませんが、身体全体にうっすらと青みがかかる変わった品種となります。現在は流通量が多く価格も安定しており、ライトに照らされてほのかに青みがかかる人気種です。

● ゼブラエンゼルフィッシュ

出典:Pintrest

最後に紹介するのは比較的若魚として育った状態で販売される事の多い「ゼブラエンゼルフィッシュ」です。個体により黒いレースの入りがランダムであり、好みの柄を持つ個体を探すのも楽しめる種類ですね。その大きさから、若干ですが値段は高くなりますが手が届かない種類で待全くありません。

以上が一般的なペットショップ・熱帯魚店などでよく見かけることのできる代表的な改良品種となります。

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エンゼルフィッシュを飼育する際の基本的な飼育方法

基本的な飼育方法としては水質は中性から弱酸性、水温はある程度融通が利きますが27℃ほど、そして与える餌は稚魚~幼魚時代は栄養豊富なアルテミア(ブラインシュリンプ)が適しますが、ある程度大きくなれば人工飼料メインで、たまにイトメや冷凍赤虫等を与える形が良いでしょう。

非常に水草映えするエンゼルフィッシュなので底砂を厚く敷き、水草を植え流木などを入れ込むと非常に見栄えがします。

フィルターなどは“上部フィルター”・“外部式フィルター”・“底面式フィルター”・“スポンジフィルター”・“投げ込み式フィルター”など飼育者次第で様々なろ過装置が使用可能ですが、どちらにせよ長時間水槽内で水を回していると、残餌・排泄物等で必ず水が古くなりアルカリ性に傾くので2~3週間に1/2~1/3の水替えは必須事項です。

出典:Amazon

水替えの際は底砂に排泄物や食べ残しの餌が残っていることが多いので、写真の様に『サイフォンの原理』を使った安価な水替え用ホースを用い、可能な限りphを上げる要因を飼育水の水替え一緒に除去してしまいましょう。

付け加えるなら上部式・外部式フィルターなどには、ネットに入れたピートモスや市販の弱酸性に傾ける「ろ材」を中心に配置して下さい。

出典:Amazon 弱酸性に傾けるろ材
出典:Amazon 園芸用のピートモスですが不織布などに封入し十分使用可能です

またろ材は不純物を濾してとる『物理的ろ過』と、ろ材に自然発生したバクテリア群が有機物を分解する『生物学的ろ過』の二通りがあります。

塩素等で消毒されている水道水で『生物学的ろ過』を洗浄してしまうとせっかく発生したバクテリア群が死滅してしまうので、こちらのろ材は必ず!飼育水で洗浄するのが原則です。

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エンゼルフィッシュ飼育にかかる必要な器具・値段・飼育費用など

エンゼルフィッシュの飼育にかかる必要最低限の器具や設備などは、まず『60cm以上の水槽』を推奨します。ワンランク下の45cm水槽で飼育できなくもありませんが、かなり手狭になり飼育できるエンゼルフィッシュも1~2匹程度にとどまり、ストレス過多や他魚への攻撃などはエスカレートするので避けた方が無難です。

必要な器具ですが最低限の物を上げるとすれば【60cm以上の水槽】【ろ過装置・ろ材】【サーモスタット&ヒーター】【水温計】【主食】で十分飼育可能です。ベアタンク飼育も問題ありません。

ただ多くの飼育者はそれだけでは殺風景なので、各種床砂・流木・水草・混泳魚…そして複数匹のエンゼルフィッシュを入れ込みます。

一般的にかかる費用はかなりお安くなり、飼育設備だけでよく60cm水槽でセット売りされてるものでも、飼育に関しては充分事足ります。お値段は10000円弱といった所でしょうか?

ただこの手のセット用品は売れ残りが混ざっていることが多いので、この安価のセット用品をベースに順次付け加えて行く方がいいでしょう。簡易なフィルターがセット内容に入る事が多いので、主となるフィルターを別途購入して下さい。

出典:Amazon 45リットル用のエーハイムフィルターです。
出典:Amazon GEX社の高性能上部フィルター


これらのフィルターは性能に比例し価格も上がるので約4000~5000円ほどとやや高価な部類になります。

底砂や水草・流木…その他のレイアウトは完全に飼育者さんの好みに依存されるので、何とも言えませんが、経験的に2000~3000円ほどの価格に収まるのではないでしょうか?もちろんレイアウトの特殊性により値段はぐんと上がるので、あくまで一般的なお値段と捉えて下さい。


そして要となるエンゼルフィッシュの個体価格ですが、上級種であり時には10000円を超えることもある「アルタムエンゼル」以外はそこまで価格は跳ね上がりません。基本的に熱帯魚は大きければ大きいほど高額になりますが、一般的にはノーマルエンゼルが500円ほど、それ以外の改良品種が500~2000円ほどになる事もあります。

飼育費用はほとんどかからない魚で、マメな換水や人工餌を中心に嗜好性の高い「冷凍飼料」、時にはイトメなどを与えれば順調に育っていくはずです。


これらを踏まえると「初期投資+生体価格」で20000円ほど、そして各種電気代などを加味すると電力会社によりけりですが…概ね1000~2000円ほどの費用がかかると思います。

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エンゼルフィッシュ飼育における注意点 

内容が重複しますがエンゼルフィッシュはシクリッド系の魚では比較的おとなしい部類ですが、十分な水槽スペースや弱い立場のエンゼルフィッシュが身を隠せるような場所がないと、度々小競り合いを起こすこともあります。

この場合は思い切って大量のエンゼルフィッシュを飼育しターゲットをかく乱させるか?レイアウトを工夫して逃げ場を作り…それでもだめなら弱い個体を一時的に隔離できるような工夫が必要です。

出典:Amazon 水槽内用セパレーター

 また混泳で最も行っていけないのは『スマトラ』というコイ科の小型魚を混泳させることです。

この魚は本能的に長いヒレや細い水草などを執拗につつきまわしてしまいます。そのためエンゼルフィッシュと同居させると、その長いヒレをボロボロにしてしまい多大なストレスを与えてしまいます。他種でもディスカスやグーラミィの仲間と混泳させるのは極めて危険です。

スマトラとの混泳だけは絶対に行ってはいけません。

その他には混泳魚との相性によりけりで、この種を混泳させてはいけないと断定はできませんが、当たり前の話ですがアマゾン水系や同地区に生息する魚種が、混泳パートナーとして最も適しているでしょう。

他には餌などの選り好みもなく、定期的な水替えや水質・水温等に注意すれば注意すべき点はほとんどなく、かなり容易に飼育できる熱帯魚がエンゼルフィッシュです。

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まとめ

エンゼルフィッシュはポイントを抑えればかなり容易に飼育できる魚です。成長するにつれペアも形成し、その子育ての様子を比較的容易に楽しめる点も人気の秘訣です。

最大5~7年とこのサイズの熱帯魚によってはかなりの長寿なので、末永く仲良く飼育できる『ペットフィッシュ』とも呼べるでしょう。

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