アカハライモリ飼育に適した飼育用品の選び方やオススメ用品について


ペットを飼う際にまず最初に気になるのが、その「飼育環境」や「飼育用品」です。

特にアカハライモリを始めとする『両生類』は“なつく”というより、野生の生息環境を再現し“鑑賞”するという傾向が強くなります。

アカハライモリの生態や特徴はもちろんですが、どの様な飼育用品を準備すればいいのか?また飼育環境はどうしたらいいのか?初めて飼う際の悩みどころでしょう。

今回は初心者の方だけでなく、熟練飼育者も改めて飼育環境を見直せる様に「オススメ用品」や「オススメ用具」をまとめてみました。

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〈目次〉

アカハライモリ飼育環境の基本
アカハライモリ用具の選び方
必須用具でオススメな用品
あると良いオススメの用具
まとめ

目次


アカハライモリ飼育環境の基本

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出典:Media Storehouse 流れのない無農薬の水田に多く見られます。


自然界のアカハライモリは春から秋にかけて、水田などの止水域で水棲生活を送ります。

冬場になると代謝が落ち、水場近くの草むらや岩の下・森林の落ち葉の下など陸生形態になり冬眠に入ります。


また、飼育下でも湿度の高さを敏感に感じ取り、梅雨の時期などは水上にポツンと佇む姿が多く見られます。

空気中から肺呼吸・皮膚呼吸で酸素を取り入れるので、陸地は必ず作ってあげましょう。

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出典:Keeping Wild 水辺の落ち葉内で冬眠していたアカハライモリ。




アカハライモリは足掛かりがないと滑りやすく、ストレスや最悪溺死にまで繋がりかねません。

そのため底砂を敷き、自然界の形に近づける必要があります。

完全なアクアリウムで飼育する場合は、必ずマツモやカボンバ等の水草や、亀用の浮島・発泡スチロールなどで陸地を用意して下さい。


本来アカハライモリは流れのある河川には生息しません。

そのためフィルター等で急激な水流を作るのはNGです。

無駄にアカハライモリの体力を奪う事となり、その様な環境では長期飼育は行えません。

魚類用のフィルターを流用しているのを見かけますが、代謝が低いとはいえ魚類のそれとは比較になりません。 

「水換えに勝る水質維持はない」という言葉がありますが、アカハライモリにとっての水質維持はこの方法が一番です。


他の記事でも口を酸っぱくして話していますが、彼らは意外にも行動範囲が広い生き物です。

自らの粘膜でどんなケージ壁も乗り越えてしまうので、必ず蓋をし脱走死を防ぎましょう。


幸いにもアカハライモリは日本固有種で、北海道・沖縄県を除く全国各地に生息域を持ちます。

そのため特別な加温や保冷は必要とはしません。

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アカハライモリ用具の選び方

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出典:QUIET CORNER 流木を入れた飼育方法。




アカハライモリに始まるイモリ類(有尾類)は、通常の状態では魚類・爬虫類の様なウロコや鳥類の羽毛・哺乳類の体毛等、皮膚を保護するメカニズムを持ち合わせません。

そのためちょっとした傷が命取りになるので、なるべく柔らかい素材の用具が適しています。


非常に再生能力が高く、眼球や四肢も欠損したら元通りになりますが、高確率でがん化するので無闇にアカハライモリの再生能力に頼らない方がいいでしょう。


そして国産種なので暑さ・寒さには強い面がありますが、密閉した容器や隙間のない蓋などは夏場の高温を加速させます。

蓋はもちろんですが、ケージ自体もなるべく通気性の良いものを選ぶ様にしましょう。


陸地・休息地に使う岩や流木・底砂も鋭利なものは使わない方が吉です。


いつの間にかアカハライモリに傷がつき、水カビが発生している…その様な状態になったらほぼ手遅れです。

これらの素材は角がなく丸みのあるもの、床砂は細かければ細かいほど、アカハライモリにとって自然界に近い形になります。

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出典:PetKeen この様な丸みのある素材が陸場に適します。




給餌やメンテナンスに使うピンセット等は、金属製で構いませんが、自信のない方は爬虫類様の竹で作ったものやプラスチック性のものを使うと良いでしょう。


アカハライモリの排泄物は強力な濾過能力がなければ、生物濾過は不可能です。

それらのフィルターはかなりの水流を起こすので、この点でも水換えに依存した方が良いでしょう。


糞や脱皮がらを集めたり、水中の溶存酸素を増やす目的で、エアポンプと一体型のスポンジフィルターや投げ込み式フィルターを使う程度に留めましょう。

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必須用具でオススメな用品

出典:楽天市場 アカハライモリの多頭飼いに適したプラケース。




アカハライモリにオススメな用品として真っ先に上がるのが、ケージ…即ち「プラケース」です。

蓋には幾重にもスリットが入り、何よりケース本体にがっしりとはまり、まず外れてしまう事はありません。

やや景観を損ねるのが惜しいところです。


生活の主体となる床砂は「大磯砂」か「田砂」をオススメします。


大磯砂は熱帯魚飼育や水草育成でも多用される底砂で、大・中・小の各サイズがありますが、どの粒も角がなくアカハライモリが怪我をする事はありません。

田砂は泥状の田んぼの土を濾し、その中から抽出した砂です。

生息環境に最も近く、アカハライモリにも馴染みやすいので、こちらもかなりオススメです。


流木や岩などを使用したい場合は、岩や石に関しては自然採取が一番です。

河川の物を利用してもいいですし、そこらに落ちている岩を丹念に洗浄しアカハライモリに与えて下さい。

流木・岩ともに鋭利な部分はヤスリ(金属用ヤスリ)で削るか、店頭に並ぶ流木から適切な物を選びましょう。

因みに岩や石はツルツル滑る苔が着きやすいので、熱帯魚点で取り扱う流木を主体にした方が良いかもしれません。


また小亀用の浮場が市販されているので、アクアリウムで飼育したい方にはもってこいです。

身体の固い亀でも登れる様に、スロープ等がついており、陸地を兼ねた休息地としても有用でしょう。


スーパーなどで無償で貰える発泡スチロールなどでも、その代わりとなります。

ハサミやカッターなどで容易に加工できるので、イモリ飼育者の中でも頻繁に使われています。

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あると良いオススメの用具

For a long time it has been suggested to use the aquatic weed Eichhornia crassipes as a feed ingredient for fish feed. Research shows it is possible
出典:ALL ABOUT FEED ウォーターヒヤシンスことホテイアオイ。




アカハライモリ飼育の本筋から外れますが、主に観賞用として水草を植え付ける方も多く見られます。


熱帯魚様の水草は使えませんが、国内種・外来種である「カボンバ」「マツモ」「アナカリス」そして浮き草の「ホテイアオイ」がオススメ種です。

特にホテイアオイは条件が良ければ夏場に白い花を咲かせる事もあり、観賞用としても見応え満載です。

自然界でもアカハライモリは水深が深くなると、水草で休息する姿が観察できます。

「カボンバ」「マツモ」等の有茎植物も、間接的にシェルター代わりとなり、アカハライモリのストレス軽減に繋がります。

更に長期飼育をしていると、いつのまにか卵を産みつける事も実際に起きたので、導入して損をする事はないでしょう。

ハゴロモモ属 - Wikipedia
出典:Wikipedia スイレンの仲間でもある“カボンバ”


Egeria densa Anacharis Egeria densa Caresheet Aquatic Mag
出典:Alchetron オオカナダモことアナカリス。全国に帰化している。




熱帯魚用に販売されている「観賞魚用ライト」もオススメ品です。


最近は蛍光灯からLEDに切り替わり、電気代もかなり安くつきます。

その上、イモリの姿をハッキリと見る事ができ、観賞用や健康チェックにも役立ちます。

プラケース等の水槽以外のケージでも、アーム状のLEDライトが安価で販売されており、非常に利便性に優れる用具です。

間接的に水草の育成にも役立つ点もオススメポイントです。


水換えや各用具の洗浄などをスムーズに行うために、バケツを用意しておくと良いでしょう。


戸建てや集合住宅にお住まいの飼育者共々、汚水を分別ができ、底砂はお米を研ぐ要領で洗浄することができます。

水道水をバケツに溜め2〜3日間、日光に当てると塩素除去が出来るので、水作りに無駄な費用もかかりません。


更に洗浄用のメンテナンス商品…例えばショップなどで販売されているブラシなどは、ほぼ100円ショップの物で代用できます。


水槽壁にこびりついた苔などは台所用スポンジで代用できますし、流木や岩・石の表面などはハブラシで簡単に掃除することが可能です。

新品で手に入るので軽く水洗いする程度ですぐに使え、使用済みの物を流用する必要もなく清潔な掃除用具となるのです。

他にも100円ショップには大小様々な清掃用具が、トイレ・台所コーナーに必ず置いてあるので、ぜひ足を運んでみて下さい。


アカハライモリは日本固有種という事もあり、様々な用具が転用・流用できます。

飼育を重ねていく上で他の飼育者へもオススメできる用具を見つけ出す事も、飼育を楽しむポイントともなるのです。

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まとめ

アカハライモリは日本人にとって最も身近なイモリ類・有尾類です。

そのため必要最低限の飼育用品・用具で簡単に飼う事ができます。

裏を返せば、自分好みのレイアウト作成や飼育用品をふんだんに使用する事が可能なんです。

飼育者個人個人の方向性にもよりますが、今回ご紹介した用品・用具以外にもご自身の目と足で新たなオススメ商品を探し、趣味や生活スタイルに沿った環境を作り上げて見て下さい?

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