今回紹介するのは”レモンピールエンゼルフィッシュ”別名“コガネヤッコ”です。海水魚界隈では「ヤッコ類」との俗称があります。
小型ヤッコと言うことで、他の海水魚の様に大規模な設備がいらない所が人気の秘訣です。
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目次
<目次>
レモンピールエンゼルフィッシュとは? |
レモンピールエンゼルフィッシュの飼育とイソギンチャクとの関係性 |
レモンピールエンゼルフィッシュ、混泳は可能? |
レモンピールエンゼルフィッシュの繁殖 |
まとめ |
レモンピールエンゼルフィッシュとは?
分布域は国内小笠原諸島を始め、太平洋西域中心と広範囲です。
成魚でも7〜8cm足らずの体長と、その黄金色の体色に人気が集中します。
コンスタントに流通し見かけやすい海水魚です。お値段も相応で5000〜7000円ほどします。
魚類としては寿命が長く5〜7年と長く付き合える魚ですよ。
ただ食性がややこしく、自然種は好んで“ポリプ食”を行います。飼育の項でお話ししますが、このためやや飼育にコツが必要になります。
幼魚も丸いスポットが入り独特のかわいらしさを持ちます。
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レモンピールエンゼルフィッシュの飼育とイソギンチャクとの関係性
小型種ですので45〜60cm水槽で十分です。ただ海水の特性上高温になると極端に溶存酸素が減少します。また生息海域も22〜25℃と比較的冷涼なので、夏場が問題となります。
ここまで下げるにはエアレーションやファンは効果がありません。素直に水槽用クーラーもしくはエアコンを使って下さい。海水魚飼育のコツは年間通し水温のブレを少なくする事です。
また水質悪化の主要因である亜硝酸塩・アンモニウムには非常に敏感です。パワーフィルター+海水魚用投げ込み式フィルターの併用、プロテインスキマーの導入、水質安定のための底砂やライブロックは必要です。
温度が上昇すると溶存酸素も減るので、単体ディフューザータイプのエアレーション装置もできれば使いましょう。
食性はかなり植物性寄りの雑食です。人工飼料に用意に餌付きますが、草食性用フードを選んで下さい。たまに各種冷凍餌を与えます。
またヤッコ類は集合生命体のサンゴの“ポリプ食”をするので、サンゴは入れられません。一般に小型ヤッコはポリプ食性が弱いと言われますが個体差があります。
高級なサンゴがボロボロにされたらたまりませんよね?サンゴの同居は諦めた方が無難です。どうしても!という方は自己責任でお願いします。
その他富栄養化の海水は雑菌も当然多く、殺菌灯も長期飼育を目指す方にはお勧めします。
ポリプ食にも言及しましたが、基本的に無脊椎動物との相性は良くありません。完全に食べるつもりはなくてもイソギンチャクを執拗に突くケースがあります。
また魚食性を持ったり毒性のあるイソギンチャクもいるので、同居は避けた方が無難です。
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レモンピールエンゼルフィッシュ、混泳は可能?
レモンピールだけでなく、この科の仲間は非常に気が荒いことで有名です。同種間の混泳は不可能でしょう。
相手が死ぬまで追い詰めます
多種については工夫次第です。
枝状のライブロックや海藻で死角を作ったり、極端に広い水槽で飼育することにより解決することがあります。
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レモンピールエンゼルフィッシュの繁殖
コガネヤッコことレモンピールエンゼルフィッシュは性転換魚です。今のところ大学等の研究機関でしか繁殖例はありませんでした。
やや趣旨が偏りますが、その論文を参考にして要約しご説明します。
十分成熟した2匹を60cm水槽に入れます。喧嘩が始まったら隔離の繰り返しです。
研究結果では7月の初夏から数え12月の冬季に産卵・繁殖に至りました。
相性が良ければ片方が必ず性転換しオス化するそうです。
喧嘩が酷い場合はセパレートしお見合い方式でうまく行っています。
産卵方式はバラマキ式で、繁殖行動が終わり次第別水槽に親個体を移します。
肝心なのは初期飼料です。自然では微細な植物性プランクトンを摂取していると思われますが、これが容易に手に入りません。
ライブロックや水槽内の自然発生に任せるか、代替食で冷凍コペポーダ等を与えるか、最終手段として実際に磯などの海水を持ち帰るか…でしょう。
ただ順調に生育し、完全人工繁殖が成功した例は確認できませんでした。
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まとめ
この様にクセの多い魚ですが、目を見張る黄金色と、その性転換など特段目を引く部分が多い海水魚です。
時間と費用がある方はぜひ!完全繁殖に臨んでみてください!